現地の人とワークショップ①~開催まで~
2/21・22・23と、現地の人と共同でワークショップを開催した。
3会場、214名の教員が参加してくださった。
報告書のもろもろが終わり、ひと段落したので、ワークショップについて振り返ってみたいと思う。
実は、最初の頃、ワークショップの開催には、あまり乗り気ではなかった。
というのも、約1年半活動をしてきて、長期的な関りをもってしても、現地の人だけで活動を継続させていくことの難しさを身をもって感じていた。だからこそ、1日限りのワークショップを開催することは、継続的な活動につながらないと思った。
加えて、お金を払って研修に来ていただく先生方に(ガーナでは、日本とは異なり、決して安くはない参加費を払って教員研修に参加しなければならない)費用対効果を保証する自信がなかった。
しかし、同じ小学校教育で派遣されている星野リゾート隊員(?)にワークショップ開催について相談すると、
彼は”私がガーナを去った後、現地の先生方にどうなっていてほしいのか”を整理してくれた。
私には、2つの望みがあり、
1つめは、先生方がクリエイティブアーツの授業を継続して行うこと
2つめは、先生方の子どもたちへのまなざしや関わり方が少しでも変わること(現状は、先生方から児童の絵に対して「ノットナイス」と声を掛けたり、絵に点数をつけたりしているが、児童の自由な発想をよさとして認める声掛けや授業スタイルに変わってほしい)
だった。
そこで、1の授業技術的な面は難しくとも、ワークショップの開催は、2を達成するためのインパクトや種まきになるのではと考えた。
加えて、ガーナの某研究機関で働く仲良しお姉さんにもワークショップの開催を相談した。
彼女も教員や子どもたちを対象としたいくつかのイベントを現地の方と協力して何度も開催している。
彼女は、
「私はワークショップをやったらいいと思うよ。異国から来た人が何かをやるっていうのは、それだけでインパクトがあるから、それを大いに活用してみるのはありだよね。隊員さんがいられるのは2年だけ。その後、やるかやらないかを決めるのは、現地の人たち自身。だから、隊員さんは継続性にこだわりすぎたり、苦しみすぎたりしないでいいと思う。私は実際に現地の人と共同開催のイベントを何年もしているけれど、実際毎年参加したいって学校が増えているのね。1日限りかもしれないけれど、ワークショップに参加する先生たちは、楽しい思い出や学びが心に残って、何かしら影響を受けたりするだろうから。ワークショップ、やったらいいんじゃないかな。」
と言ってくれた。
彼女の言葉に救われ、自分の中で決心がついた。
そして、カウンターパートに上記の心配事を話した上で、開催の可否を尋ねると、カウンターパートは2つ返事で「やった方がいい!やろう!」と言ってくれた。
その後、教育委員会の研修担当のオフィサーに相談し、3日間3地区大規模なワークショップの開催が決定した。
しかし、問題がいろいろ起きる。
それは、現地の方々との働くことへの意識の違いだ。
計画性重視の日本人と
行き当たりばったりでなんとかしてきたガーナ人
私はワークショップの提案を1月半ばに打診し、思案では4月開催を予定していた。
しかし、カウンターパートに相談したところ、
カウンターパート:「2月の1週目にやろう!」
私:「え~!!あと、2週間しかないけど?」
私:「なんでその日程がいいと思うの?」
カウンターパート:「早く開催すれば、モニタリングがたくさんできるから。その方がいいと思う。」
う~~~ん!!!
まぁ、もっともな理由。。。
そして、彼女の提案を尊敬すべく、準備をし始めてみる。
しかし、JICAや配属先に提出しなければならない書類が予想以上にたくさんあると気付く。
また、自分だけで進めるわけではないので、ダイレクター、トレーニングオフィサー、カウンターパートとの打ち合わせや承認が必須である。(この期間はダイレクターにサインをもらうために、学校で授業をしてから、教育委員会に行って、また戻って、カウンターパートと打ち合わせして~なんて、炎天下35度を毎日一万歩以上歩き、結構大変だった。)
そんなこんなで、ワークショップの内容を推敲する以前にやらなければならないことに追われ、2週間後の開催はとても無理だと思った。
そこで、カウンターパートに「やっぱり日程をずらしたい…」と、お願いする。
しかし、返事が途絶えてしまう。
何度か連絡をするもしつこく連絡をしすぎて少し怒っているようだった。(笑)
日本だったらこんなことないよな~と思いつつ、海外の人々と働くとは、このような価値観の中で物事をすすめていくことなのだと実感する
刻一刻と迫るワークショップの日程
返ってこない返事
そんな絶望の中、教育事務所の定例会議に出ていた私は、またもや配属先のオトンに救われる。
少し彼の説明をさせてもらう。
オトンは配属されている教育監督部の部長だ。
活動で悩んでいるとき、なんだかんだ本当に絶対に本当に絶対にいつも助けてくれるのが彼だ。
今回も彼に、
「今、ワークショップを計画しているんだけどね。日程を一度決めたけれど、準備がどうしても間に合わないそうにないの。だから、日程を2週間後にずらしたいとカウンターパートに連絡をしたけど、彼女から返事が帰って来なくて。涙」と、話す。
すると、彼は、
「私も日程をずらすことに賛成だ。とりあえずもう一度、カウンターパートに連絡をしてみなさい。それでも、返事が来なかったら、私が彼女に電話をかけよう。そして、もし彼女がその日程で都合が悪いならまた日程を変えていったらいいよ。」と言ってくれた。
今回もワタワタしている私をドウドウドウと、落ち着かせ、助けてくれた。
オトンは牛使いなのかな。
そして、カウンターパートに連絡ができ、無事に2週間日程をずらすことができたのだった。
続く
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