寒茶の製造体験会2025/1/18
日時:2025年1月18日(土)午前9時~12時
場所:静岡県袋井市岡崎7157-1 茶ピア
参加費無料(茶染めのみ参加費500~800円)
【タイムスケジュール】
※茶葉の刈り取りから参加される方は、午前8時に茶ピアへ集合してください。(要連絡 info@bancha.org)
・ふくろい寒茶づくり 9:00~11:00
・菩提酸茶でつくる茶粥 11:00~
・茶染め体験 10:00~11:00
・松下先生のお話 11:45~12:00
今年も袋井市の「茶ピア」にて、寒茶の製造体験会を開催いたします。
寒茶とは、寒の時期に作られるお茶で、晩茶研究会では毎年、大寒の頃にこのイベントを実施しています。寒の時期は、現在の暦では1月6日頃から立春の前日までを指します。お正月が明けて日常が戻った頃にぼちぼち作るお茶というイメージですが、旧暦で考えると新年を迎える前に作るお茶ということになります。
高知県名留川には、冬至に摘む茶を最良とし、「冬至茶」と呼んだという伝承があります。付近を流れる野根川をさかのぼれば、寒茶で有名な宍喰の久尾に至ります。冬至は「一陽来復」といわれ、陰の気から陽の気へと転換する節目と考えられてきました。日常的に飲む飲料をこの時期を境に作り始める意義があるのではないかと考えられます。また、旧暦の正月に新しいお茶を振る舞えることも、当時としては大きな利点だったのではないでしょうか。
現代の我々には、真冬の硬くなった葉でお茶を作る行為は「常識外れ」に映るかもしれません。しかし、飲料や茶葉が容易に手に入らなかった時代であることと、一陽来復を祝う風習や、新年を迎える前の手仕事という観点から捉えると、また違った見え方ができます。
晩茶という飲み物は、茶単体で存在しているものではなく、時代性や地域性など周辺を囲むものとともに存在しています。それはドーナツの穴のようなもので、穴が単独では存在できないことと同じです。このような性質を理解したうえで、晩茶をつくり、飲んでみるのも楽しいものです。
また、その上で現代において晩茶を取り囲む必然性にはどのようなものがあるか、それは社会的なものかもしれませんし、自己洞察から見えてくるものかもしれません。これは容易に答えが出ない問いではありますが、こうしたイベントが考える契機になるかと思います。