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晩茶を飲むなら土瓶

もしあなたが土瓶を持っていなければ、民藝の土瓶をぜひ一つ買ってみてほしい。

晩茶に限らず、ほうじ茶、番茶にも、民藝土瓶をつかってみてほしい。

とても豊かな気持ちになれるはずだ。

土瓶は大容量でお茶が冷めにくい

晩茶は長時間湯に浸っていても渋くなりにくい。

だから晩茶を飲むなら、土瓶に茶葉を入れ、熱湯をたっぷり注ぎ、飲みたい分だけ土瓶から飲めば良い。少なくなってきたら、湯を継ぎ足す。薄くなれば茶葉を足す。卓上サーバーのように使える。

民藝の土瓶は存在感が有り、どっしりと落ち着いた形でテーブルに置いて絵になる。

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西持田窯の土瓶と龍門司焼の湯呑

民藝土瓶の魅力

土瓶は急須ほど精緻な造りは求められないが、見た目に比べて軽いものや、裏漏りの無いものがつかいやすい。

釉薬がたっぷりと掛けられたもの、飛鉋や面取り等の伝統的な技法で作られたものはシンプルでも飽きのこない美しさが備わっている。

常滑や萬古の量産品には十分な機能は備わったものが多いが、個性豊かな各地の晩茶を飲むのであれば、私は民藝の土瓶を強くおすすめする。

土瓶を知る

民藝の土瓶について知るなら、日本民藝協会の「民藝」2019年10月号(特集土瓶)がおすすめだ。

少し抜粋する。土瓶がいかに愛すべき茶器であるか、蒐集する価値があるかがお解りいただけるはずだ。

柳宗悦・土瓶考より(民藝 2019年10月号)
見るものを有つのも悦びであるが、使うものを有つのは尚悦びである。その使いたいものの一つに私はいつも土瓶を数える。よき土瓶はこの世で得難いものの一つである。私はそれを如何に探し求めたことか。(中略)これがないと快く茶は飲めない。よき土瓶を得ることと茶を飲むことは一つである。(中略)只飲むというだけなら、何でもいい。併しそれでは私の生活にはならない。正しい器物がなければ完き生活もないのである

この号の表紙は伊賀丸柱の青土瓶で、胴が立派に張ったふくよかな形が特徴である。私を土瓶好きにさせたのもまた、民藝店で見かけた伊賀丸柱の青土瓶だ。

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【左:森山窯の灰釉土瓶(島根)、右:伊賀丸柱の青土瓶(三重県)】


その他にも名品24点のカラー図版に加え、土瓶好きの会の発起人で陶芸家の前野直史氏の「私と土瓶」や土瓶の手を製作している山野孝弘氏の「出雲民藝紙と松江藩藤細工」など、土瓶の今もわかる一冊となっている。

 その他の土瓶本
◎土瓶と湯呑み/金子量重(中央公論社)
◎湯呑みと土びん/監修 金子量重・小川後楽・津村節子・大村しげ・白洲正子・辻嘉一 他(中央公論社)
◎諸国の土瓶(工藝選書)/柳宗悦 昭和18年発行
◎工藝 第16号 昭和7年発行
◎民藝 土瓶特集のバックナンバー
S56/4 340号「土瓶」特集(500円)
H5/5 485号「土瓶」特集(850円)
H9/7 535号「益子土瓶と土瓶絵」特集(850円)
H15/1 601号「日本民藝館展」特集(850円)
◎図録 町田市立博物館 「どびん-その歴史と諸国の窯」展
/昭58 B5版56頁

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土瓶好きの会

定期的に古い土瓶の展示や販売会を行っている。2020年~2021年は活動がなかった。

土瓶の過去と未来

昔の土瓶は火にかけられて使われることが多く、割れやすいため、大量に作られていながら残っているものは少ない。晩茶が廃れていくとともに、土瓶もまた数を減らしてしまった。

大量に作られた時代のものに美しいものが多いが、使いやすさで現代のものを超えるものは少ないと思う。

昔のような「雑器」の身軽さは失われてしまったが、土瓶は今も生きているし、その魅力は失われていない。

美しい土瓶がこれからも変わらず作り続けられる事を願う。

民藝土瓶を買う

どびんが買える民藝店


中嶋窯(秋田県) @nakajimagama17

穂生窯(新潟県) @honari_gama

西持田窯(島根県) @nishi_mochidagama



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