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晩茶と民藝(2)鹿児島・ハンズ茶

民藝と晩茶の関わりとしてもう一つ、鹿児島の「ハンズ茶」がある。

”ハンズ”は半胴と書き、主に水瓶として使われた。苗代川の日常雑器、黒もんである。

ヒビが入って使えなくなったハンズ瓶を釜炒り茶の釜代わりにする。

かまどにハンズを置いて火にかけ、茶葉を入れ先が三叉になった木の枝でかき混ぜる。ハンズ茶は陶板焼きの要領でつくられる釜炒り茶だ。

今春、鹿児島のある茶商のところで偶然にも思月園の高宇氏に会った。私は氏の著作「僕は日本茶のソムリエ(筑摩書房)」でハンズ茶の存在を知り、伊集院の生産者を訪ねたことがある。鹿児島でもあるし、まず真っ先にハンズ茶について話さずにおられなかった。「ハンズ茶、よく知ってるね」あの時の氏の笑顔が今でも忘れられない。

そのようなこともあり、やはりハンズ茶を作ってみたくなって購入したのがこの半胴瓶である。

持つとずっしりと重い。

レンガを素で積んだだけの簡易かまどに半銅をおいたら、どうにか形になりそうだ。今年の宿題である。

※トップ画像は鹿児島県日置市前鶴製茶さんの半胴瓶。イベントなどで時々ハンズ茶を作っている。

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