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危険業務従事者叙勲

Column~№28
 危険業務従事者の叙勲が発表された。今回の受章者は3,364で警察や自衛隊、消防などが対象者で受章者の半数は警察関係者とのことだ。叙勲された方々、本当におめでとうございました。危険業務従事者は平素の勤務も大変ですが、夜間勤務はそれ以上に苦労されることが多いため喜びもひとしおだと思います。
 受章者の話で思い出すのが私の知り合いの元署長のことだ。この方も過去に受章者となったが叙勲を毎年気にされていた。当時を振り返ると「今年も選ばれなかったんだが、来年は大丈夫だろうか」と同じ話を何度か聞かされた。1つの評価として、また名誉を欲する気持ちから毎回気を揉んでいたことを思い出す。
 今回受章者を拝見して感じたのだが、警察関係者は自衛隊や消防の方よりも叙勲が遅いようだ。自衛隊の方は60代前半の方が多く消防は60代全般だが、警察だと70代ばかりで60代はざっと見た限りではいなかった。先輩に話を聞いたところでは「警察の叙勲対象は73歳くらいじゃないか」と言っていた。
 私も危険業務従事者の叙勲の選考基準の詳細は知らないが元の職場の推薦によるらしい。つまり退職時の役職や勤務年数などを考慮して元の職場、警察では警察本部が推薦すると聞いた。したがって警察が他の危険業務従事者の平均年齢と同じにするためには更に受章者を増やす必要があるのだろうが、すでに警察関係者の受章者が半数を占めているので難しいだろう。
 また警察も自衛隊も消防もそれぞれに苦労がある。したがって優劣を評価できるものではないが、70を超えての叙勲の選考は寿命の問題を抱えている。夜間業務を退職時まで繰り返す危険業務従事者の寿命は平均寿命を大きく下回る。そのため受章者に名前が載る前に他界される方も少なくない。
 今回の受章者はまだ定年が60歳前の世代だと思うが今後は60歳定年世代、更には65歳世代になると平均寿命はもっと低くなると思われる。そうなると叙勲まで生きて迎えられるのかという問題になるのではないだろうか。そんな意味では警察も60代での叙勲になることを願っている。

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本郷矢吹
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