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夏の日差しが怖い

お昼過ぎ。買い物のために京都市役所前駅から三条寺町に向かう。
駅の階段を上がると、涼しかった数日前にはない日差しを強く感じた。

「夏の日差しや!」

すぐさま肩にかけていたトートバッグの中から日傘を取り出した。

インドアで日焼けとは無縁だからこそ守りたい、自分の肌。
今年の春に新しい日傘を買って、ずっとバッグに入れて持ち歩いている。

商店街のアーケードの日陰に入ると安心し、日傘を閉じてバッグに戻す。
観光客や人だかりの邪魔になるし、できれば日陰だけを歩いて
目的の店まで辿り着きたいところ。

しかし、アーケードには屋根が途切れる所がある。
わたしは屋根が途切れる度に日傘を開けたり閉じたりするハメになった。

正直面倒だが、自分の肌を守るためには開けたり閉じたりするしかない。
アーケードを抜ける頃には、日傘をバッグにしまわずに
常に両手で握りしめ、すぐに開けられるように構えて歩いていた。

日傘をぎゅっと体の前で構える姿は
変質者に襲われないように防衛してるみたいである。
テレビで見た光景だが
家に見知らぬ人が訪ねてきた時、金属バットを握りしめて
こわごわと玄関の扉を開ける様子と似ている。
わたしは変質者と同じくらい太陽光に怯えているのかもしれない。

まだ梅雨入りしていないのに、突然始まった日差しに怯える日々。
熱中症も気になるし、そろそろ昼間の外出は控えようかな。
インドアに拍車がかかりそうな予感がする。

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