北海道で VORのフライトチェック
新千歳空港に着陸する航空局の飛行検査機、サイテーションCJ4 を見かけました。JA009Gです。どこで何の検査をしていたんだろう? と探ってみると…
4月4~5日の2日間、道内のVOR 5か所の検査などを行っていたようです。flightradar24 を使って、JA009Gの飛行航跡の一部を合成してみました。5つの丸の中心には VOR/DME局があり、半径15海里(≒28km)ほどで左まわりに1周したオービット(orbit、周回)飛行の航跡です。
2023年4月時点で航空局の525C(Citation CJ4)は、JA008G~JA012G の5機が運用中。そのうち、前日夕方に北海道入りしていたJA009G「チェックスター9」は、4日(火)午前に新千歳空港を発ってまず帯広VOR/DMEの飛行検査へ。帯広空港には着陸することなく、引き続き女満別VOR/DMEの検査を行いました。昼に女満別空港に着陸して休憩。午後は同空港ILSの飛行検査を実施し(航跡は省略)、夕刻に新千歳空港に戻りました。
翌5日は、新千歳から利尻島へと北上しました。利尻VOR/DMEを検査した後は道東へ。中標津VOR/DMEの検査を行い、その後は札幌VOR/DMEの検査を実施。あれっ? この日は着陸しないまま上空で昼食でしたか。おつかれさま。
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それぞれの空港周辺での飛行航跡を見てみましょう。
オービット飛行だけでなく、コースを確認するラジアル(radial、放射状の)飛行や、VOR進入方式の検査も行ったようです。帯広空港の滑走路は17/35、近隣にある十勝飛行場(陸上自衛隊)の滑走路は13/31です。
女満別空港の滑走路は南北の18/36。周辺にはやたらと湖が多くて、観光の拠点としても良いかも。
利尻空港は、丘珠空港よりも長い1800m滑走路を持っています。利尻島の北隣りは礼文島。その北端にある礼文空港(滑走路14/32、800m×25m)は、2009年からずっと供用休止が続いています。
中標津空港の滑走路方向は、ほぼ東西の08/26。野付半島から東に大きくはみ出すと国後島に近付くので危険です。ふと思い出したのは、数十年も前のこと。中標津空港でプライベートセスナ機に同乗させてもらい、上空から摩周湖観光をしたことがありました。
札幌VOR/DMEは、丘珠空港の滑走路14/32の延長線上にあるので、航空路用としてだけでなく 飛行場の進入/出発にも使いやすい配置です。
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今回は、VOR/DMEの飛行検査(Flight Inspection、または Flight Check)の話題でした。ILSの飛行検査についてはこちらの記事をご覧ください。
※ 冒頭の写真は、やぶ悟空撮影