ゴルフ初体験、それもハイブリッド
秋の三連休、クルマ記事の3日連続放出の2日目。このクルマも6月の試乗でした。
-+-+-+-+-
フォルクスワーゲンのゴルフには、是非とも乗ってみたかったんだ。車を見極める基準にするのがゴルフだ…ってんだから。そんな「いいクルマ」なら、とにかく運転してみなきゃ。
めずらしく四輪駆動じゃないレンタカーを選んだのは、そんな理由から。
余計な飾りっけがなく、コンパクトだけれど幅が広くてどっしり感。安全性を考えると、もう5ナンバーの幅(1.70m以下)では中の人を守れない、ってことなのかね。わが家の軽自動車なんて衝突したらペシャンコ覚悟。歳を重ねてきて守らなきゃいけないものが少なくなってくると、自分自身の生存を第一に考えるより、周りの人たちの凶器にならないような衝突以前の安全性を重視したいところ。
GOLF eTSI Active
2022年9月の初度登録で、走行1.2万キロのFF車。1リッターの3気筒エンジンと 電気モーターを組み合わせた48Vマイルドハイブリッドシステムらしい。
走ってると いつの間にかエンジンが止まってるし、また いつの間にかエンジンが回ってる… ようだ。走り出してしばらくは、そのことにすら まったく気付かなかった。意識してメーターを見ていると、平坦な道ではアクセルペダルへの圧力がほんの少し緩んだ途端にエンジンが止まってコースティングに入るようだ。エンジンが再始動するときでさえ、あまりにもスムーズで計器を見ないと分からない。いいねぇ。素晴らしい!
余計な色や光は気に入らないけど、回転計と速度計のアナログ表示が残されていて嬉しい。でも、日本じゃ 140km/h を越える速度域は意味ないし、そこの表示間隔が詰まっていてデザイン的にも良くない。日本仕様だけでもレンジを拡大してくれると、通常の使用速度で見やすくなるのに…。
エアコンやナビ、オーディオは スマホみたいなタッチ操作らしく、思うように使えない。8時間しか借りてないのでマニュアルを見る余裕なんてないから、直感的に動作しないなら触らないことにした。室温設定さえできれば、他はどうでもいいや。
指先の感触だけで操作できるメカニカルなスイッチに比べ、視線を逸らさなければ操作できないタッチスイッチは明らかに安全性が低下する…と、これまでの運転経験から信じている。業界をリードするドイツの自動車メーカーが ヒューマン・マシン・インターフェースを考えないはずはないのに、どうして? 私なら、これだけで選択肢から外す理由として十分だな。
今回は購入する予定がないので、こんなふうに独り言を言うだけ。
配置がストレートでスッキリしてる。キーとキーホルダーまでもがピッタリ収まって気持ちいいや。シフトレバーって言うのかなぁ、この小さいスイッチ。R(リバース)、N(ニュートラル)、D/S(ドライブ/スポーツ)と切り替える。Dのポジションからもう一度手前に引くとSモードになる。それ以上のドライブモード切替はないけど、これで十分だ。レバーが立っているので運転席から文字は見にくいが、もちろん見なくてもすぐに分かるし慣れる。(でも、ホントは昔ながらのATシフトレバーが好き。)
Pが2つあるけど、上のPはギヤシフトのパーキング・ポジション。下のPがパーキング・ブレーキ。今さら言うまでもなかったね。
長さ4.3m、幅1.8m、高さ1.5mというサイズで、車両重量は1.3トン。使いやすそうな大きさと このスタイルに好感を持つね。
走り出すと、とてもスムーズで滑らか、静かで気持ちがいい。これで3気筒エンジンなの?(わが家の軽も3気筒なんだけど…) マイルドハイブリッドの(エンジンとモーターの)制御がとても上手くできてるってことなのかね。このゴルフ、すごいな。
エンジンパワー110ps に不足は感じない。電気モーター13ps のアシストを単純に加算しても 123ps にしかならないけど、私にはこれで十分だと思えたよ。もっと数値が欲しいんなら、ゴルフでも別のタイプを選べばいいんだし。
カタログ上は「フラット」とか「フルフラット」とまで言いながら、後席を倒しても平らにならない車が多い。このゴルフも完全なフラットにはならないよ。載せる物にもよるけど、このわずかな傾斜がビミョーに使いにくいこともある。かといって後席シートの快適性をおろそかにはしたくないから、コストを考慮しつつ妥協する… ってことだよね。
うちの普段使いにも十分な、無駄のないデザインで良いサイズだなぁ。ひとつ気になっているのは、歴代ゴルフはどれもそうだけど、ドライバーが左後方の安全確認するとき、このピラーの太さで死角を生んでるんじゃないの? ってこと。
昔の車には、後方視界も優れていて全体のデザインも素晴らしい車が数多くあったけど、近ごろは後ろの視界がとても狭くなっている。バックカメラやアラウンドビューモニターがあるから…と、左後方を目視で確認する重要性が薄らいできたのだろうか。リアウインドウも、外から見えるガラスの面積より内側からの視界がずっと狭いデザインが多いのは、困った傾向だと感じている。ゴルフのピラーの太さは、ましな方だろう。
タイヤは、GOOD YEAR の EFFICIENT GRIP Performance。「効率的なグリップ」っていう名からも、燃費性能を意識したタイヤだろうね。サイズは前後とも 205/55R16 で、2022年第4週の製造品だった。
乗り心地は、このタイヤと足回りで悪くなかった。アウディA3やQ3よりも気持ちいいんじゃないか…とさえ思えたね。
飛行機以外で 初めてHUD(Head-Up Display)を見たのは、たしか スズキの軽自動車だった。その試乗では「こんなもの、いらないよ」と思ったものだが、HUDが装備されたゴルフを数時間運転していると、いつの間にかフロントウィンドウの表示を利用している。進行方向から視線を逸らさない、という意味で「なかなか便利かも」と思えるようになってきた。
停止して撮影した写真なので速度は「0 km/h」だけど、その隣りのナビ表示(150m先を左折)もかなり有効だ。ただ、焦点距離がボンネットのすぐ先ぐらいで 少し短く感じたんだけど、この距離って ユーザーが調整できるのかな?
荷室の下を開くと、タイヤがあったので驚いた。わずかでも軽量化して燃費を稼ごうとする今どきには、珍しい気がするね。(北海道のレンタカーなので、スノーブラシも常備してあった)
「LINGLONG」という 中国製の TEMPORARY USE ONLY(応急用の使用に限る)タイヤ。サイズは「T125/70R18」と書いてある。125ミリだからタイヤ幅はかなり狭く、扁平率70%で、ホイール外径は18インチと大きい。これで「205/55R16」の替わりになるんだな。「INFLATE TO 420KPA (60PSI)」は適正空気圧を、「MAX SPEED 50MPH - 80KM/H」は最高速度を表している。
わが家の軽には、4つのタイヤの他にはパンク修理キットしか付いていない。でも、林道のゲートが開いてたりすると入りたくなるタチなもんで、本当はスペアのタイヤがあると少しは安心なんだけどね。
今日の走行は 214kmだった。ハイオク10リッターにも満たない給油で済んだので、燃費はリッター22kmほどになる。おっ、ずいぶんイイね。「マイルド…」とはいえ、さすが ハイブリッド車だな。
-+-+-+-
GOLF eTSI Active
初度登録:令和4(2022)年9月
型式:3AA-CDDLA
長さ 4295 mm × 幅 1790 mm × 高さ 1475 mm
車両重量 1310 kg
原動機の型式:DLA-4450
999 cc、直列3気筒DOHC インタークーラー付ターボ
110 ps / 5500 rpm
20.4 kgf・m / 2000-3000 rpm
48Vマイルドハイブリッド
モーター:13 ps、6.3 kgf・m
※ 個人の感想です。忘れないうちに書き留めたもの。
※ 写真はすべて、2024年6月、やぶ悟空撮影(一部画像処理)
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?