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気球で宇宙に接近!

気球に吊られて ずいぶん高いところまで上がる…という、こんな情報が目に入りました。


▲ 航空路誌補足版、2024年12月26日

北海道内で1人が搭乗するガス気球の飛行を知らせるもの。まだ営業前の試験飛行かもしれないけど、おっ! と引かれるものを感じました。添付された図などを基にして、何枚か描いてみました。


▲ 飛行範囲1 = 赤枠

ことし2025年1月中の実施予定となっているので、この記事が公開される頃にはもう飛んでいるかもしれません。

青い丸印は気球が飛び立つ場所。その「放球地点」は14か所あります。気象状況によって離陸場所を選ぶのでしょう。深夜2時から朝6時45分までの「予想浮遊範囲」が赤枠です。この5時間ほどが風が穏やか…ってことかな。まだ道内の定期便が飛行する前ですが、国際線の上空通過機はあるかもしれません。各空港の周辺を避けた複雑な範囲が設定されています。

離陸から1時間15分ほどで高度約5万9千フィートを通過する、とされています。旅客機が飛行する高度はせいぜい4万フィート強なので、それより高く上がります。その後、巡航高度8万フィート以上を目指してさらに上昇する計画のようです。昨年7月のフライトでは、「有人自由飛行試験で国内初の高度20,816mに到達」したそうです。約6万8千フィートですね。当然、キャビンは与圧されて暖房だってあるはずです。


▲ 飛行範囲2 = ピンク

その後の、朝6時45分から7時半までの「予想浮遊範囲」からは、日高地方が削られています。その山岳地帯は、新日高町の静内しずないから離陸した場合のために確保した空域だろうと思います。

この時間帯での最高高度は2万6千500フィート。たぶん気球は降下中でしょう。


▲ 飛行範囲3 = 空色

そして着地場所は十勝地方に絞られています。朝7時半以降の高度は6千フィート以下です。( SS って何だろう?)この付近は訓練空域が拡がっていますから、帯広空港から航空大学校の訓練機が飛び立つ前に着陸するのでしょう。

このエリアを拡大したのが 次の図です。

▲ 飛行範囲3の拡大

空域は4つに分けられています。最高高度は、上士幌かみしほろで 6,000ft(1,800m)、鹿追しかおいで 2,500ft(760m)、本別ほんべつ・池田・浦幌うらほろで 2,000ft(600m) そして 音更おとふけで 500ft(150m)とされています。

SFC : surface、地表または海面

飛ばすことだけでなく、気球を回収するのも 場所を上手く選ばないと大変そうです。


▲ 飛行高度

この気球の巡航高度は2万5千メートル(約82,000ft)とのこと。高さは感覚的にピンとこないので、縦と横を同じ縮尺にした図を描いてみました。ただし、地球の曲率は無視しています。

一般に「宇宙」ってのは高度100キロメートル以上のことらしいです。なので、この気球が目指す高度25kmあたりは宇宙とは言わないのでしょうが、旅客機の乗客として容易に到達できる 高度10km+α の景色と比べれば、地球の見え方がかなり違ってくることでしょう。

▲ 飛行のイメージ

2023年11月の飛行写真をなぞって描いてみました。気球による「宇宙遊覧フライト」に興味がある方は、こちらのサイトから。

株式会社 岩谷いわや技研
公式サイト:https://iwaya.biz/

詳細は、こちら。

OPEN UNIVERSE PROJECT : https://open-universe-project.jp/

(冒頭のイメージは、OPEN UNIVERSE PROJECT のサイトから引用させていただきました)


※ 作図はすべて、やぶ悟空

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