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2機のアイランダー、日本に

東京オリンピックを目前に、ブリテン・ノーマン BN-2アイランダーが2機、新千歳空港に降り立ちました。2021年7月16日の夕方のことです。

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2機そろって新千歳空港19Lに進入

やってきたのは、F-HSURG-AWNT です。「F-」はフランスの、「G-」はイギリスの登録機。共に双発レシプロエンジンの BN-2A という初期のタイプです。

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先行の G-AWNT

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G-AWNTの胴体下にカメラドアが


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後続 F-HSUR の下部に並んでいるのは…

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何かのセンサーだろうか?

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無線中継用のアンテナは取り外して飛んできたようです。

G-AWNT は製造番号32という1968年製で、F-HSUR も1976年製のC/N:530とのこと。古い機体を大事に使っているようです。(C/N : Construction Number)

はるばるヨーロッパから2機のBN-2Aを運んできた理由は、オリパラの無線中継機としての役割を果たすためとのこと。この7月に欧州で開催されたツール・ド・フランスでも、アイランダーの F-HPIX が無線中継機として飛行していました。

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BN-2Bアイランダー、F-HPIX のツール・ド・フランス飛行航跡。まるで上昇気流を探るグライダーのよう(Flightradar24)

競技中の選手たちの姿や表情を逃さないように追いかけるのは、地上のバイクカメラやヘリコプター搭載カメラです。その映像は、見通し内の上空を旋回飛行する無線中継機、BN-2アイランダーへとリアルタイムでアップリンクされます。そしてBN-2機内の無線中継機材で地上の大型中継車両へとダウンリンクされ、その後は衛星回線や海底ケーブルなどを経由して世界中に配信される…というしくみのようです。日本のオリパラでは、この2機、どんな働きをしてくれるのでしょう。

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欧州から極東への飛行航跡(Flightradar24を編集、加筆)

2機のアイランダーは 7月11日にフランス北部のルーアンを発った後、リトアニア経由でロシア領に入り、東に向けて飛び続けて16日に利尻島から日本入りしました。新千歳で翼を休めた後、翌17日に松本空港へと向かいました。

ちょうど歯の治療から戻る道すがらレシプロ機の音で見上げると、アイランダーの四角い翼が苫小牧上空を通過しているところ。数分後、もう1機のアイランダーも後を追って上昇していきました。

2人(機)ともお気をつけて。まだまだ現役バリバリでしょうが高齢なんですから…。


※ 写真はすべて、2021年7月16日、やぶ悟空撮影


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