見出し画像

札幌ACCセクター変更

日本(福岡FIR)の空域再編が数年前から進んでいます。

札幌航空交通管制部(札幌ACC)の担当空域内も、この3月21日からセクター境界の変更がありました。

AIP Japan (EFF: 21 MAR 2024) の情報から。

▲ 札幌ACCセクター境界(AIP Japan)

(EFF: 1 MAR 2024) から (EFF: 21 MAR 2024) への変更部分を編集しました。

フライトレベル(FL)335以上の高高度空域は、近い将来に福岡ACCの管轄に組み込まれる計画です。その事前準備のためか、「S94」と「S91」だけのシンプルなセクター構成になりました。FL335未満でも、北側(ロシア寄り)のFIR境界付近が「S91」で縁取られたような不思議な図になっています。

そして、札幌ACCが広域進入管制を担っていた「S34(道東広域セクター)」がなくなりました。これに代わる 広域ターミナル・レーダー管制を始める準備が着々と進められているはずです。

札幌ACCの、FL335未満の空域をもう少し詳しく見てみましょう。

▲ 札幌ACCセクター(2024年3月21日から有効)

地理院地図をベースにして描いてみました。

高度によってセクター境界が変化するので、縦(高度)軸の概念図も示します。

▲ 札幌ACCセクター高度 概念図

札幌ACCエリア内にある4つの進入管制区(ACA)については、広域ターミナル・レーダー管制に関する新たな情報提供を待って、もう少し詳細な図を描くつもりです。

-+-+-+-

高度別に描いた4枚の図を付けておきます。

▲ FL335以上


▲ FL265以上 FL335未満


▲ FL245以上 FL265未満


▲ FL245未満

このように札幌ACCのセクター境界が変わっても、搭乗する乗客のみな様には何も変わることはありません。今までどおり、機内でゆっくりとくつろぎましょう。


▲ Rapidus半導体工場建設のクレーン群を横目に、離陸滑走するエアドゥ機


略語:
ACA: Approach Control Area、進入管制区
ACC : Area Control Center、航空交通管制部
AIP : Aeronautical Information Publication、航空路誌
EFF : Effective、有効
FIR : Flight Information Region、飛行情報区
FL : Flight Level、フライトレベル


※ 写真はすべて、2024年1月 新千歳空港で、やぶ悟空撮影

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?