ちょっと古いBMWに、ちょっとだけ乗ってみた(その2)
中古車レンタカーで BMW320i セダン(E90)を借りました。いきなりガッツリ走り出す前に、あちこちよく見て操作などを確認します。
前回(その1)からの続きです。
乗り込む
右ハンドル車です。電動シートは調整が楽ですね。前後と背中の角度を調整しただけで、おぉ、ピッタリ! 両足は左右対称に自然な感じで伸び、太もも裏のあたりも離れ過ぎず浮き過ぎず。ステアリング位置は調整の必要がなく、適度に肘が曲がったいい距離です。いろいろなレンタカーに乗りましたが、いきなりしっくりくることは多くはなかったかも。
うっ、くっせぇ! タバコの臭いが強烈です。そういや禁煙車とか指定できなかったし。おまけにハンドルが汚くて手触りが良くありません。新型コロナ対策で持ち歩いている除菌シートで拭くと、一瞬で真っ黒に! もう少し丁寧に室内を掃除しておいて欲しかったな。まぁ、そんなこまごまとした手間を省くことで輸入車でも格安で貸し出しできる、ってことなのでしょう。
乗り込むときに気付いたこの3色とMのマーク。これは「Mスポーツ」ってヤツなんでしょうか? よく知らないンだけど…。
走行距離は 77,000km まであと少し。12年前の登録車にしては少なめです。働き盛りの四十~五十代ビジネスマン…ってところでしょうか?
スピードメーターは時速260キロまで刻んでありますが、日本の公道では真上位置の130km/hすら合法的には使えません。通常使用する60km/h付近はレンジの下の方で狭くなっています。メーターの右半分は、私にとっては無用の長物です。
それと、タコメーターの下側に付いている「km/l」の燃費表示は、運転フェーズで大きく変化するのであまり意味がなさそう。静かに発進しても針が右に振り切れるし、60km/hほどの巡航中なら22km/lあたりを指しているし…。気持ち良く走りたいこの手のクルマで、リアルタイムに燃費を気にする必要もないでしょう。
ダイヤル式のコントローラーとその周辺のスイッチ類は、BMW iDrive のマルチメディアコントロールシステムなのだそうです。今回使ったのは、ラジオを聴く操作とナビの操作ぐらいかな(それと、後述する警告メッセージの詳細確認も)。ナビのマップを見ながら目的地を入力するのは、コントローラーをいじっているうちにできました。これ便利!
タッチパネルで上下左右スクロールさせ、目的地を決定するのが左手だととっても苦手なので、BMWのコントローラーはとても使いやすく感じました。でも巷ではこのコントローラーの使い勝手の評判はあまり良くないようです。こういう好みって、個人差が大きいのでしょうね。
動き出す
まずは普通のATとして、ドライブ(D)に入れてそろそろと走り出します。エンジン音は聞こえているけど室内は静かめ。12年経ってもしっかり遮音されているようです。もちろん、きしみ音などもなし。
片側2車線の国道36号の流れにスッと入っていきました。この付近は舗装が修復されたばかりのきれいな直線道路なので、乗り心地や路面から拾う音などは、もっと荒れた近所の道で判定することにしましょう。
まずは千歳美々ワールドの、交通量がほとんどない場所に車を止めました。パーキングブレーキはハンドレバー式。私はこの方式がいちばん好きです。
操作を確認する
四角いキーを差し込む穴とエンジン始動の押ボタンスイッチは、ハンドルの左側です。頻繁に触る場所なので、少し剥げています。そして、輸入車の運転で慣れるまで意識する必要があるのが、ウインカーの操作。ハンドル左側のレバーなので、国産車とは逆です。というか、日本のJIS(日本産業規格)が世界標準(ISO:国際標準化機構)に合っていないだけ。
右左折ではしっかり意識するから間違わないのですが、レーン変更などタイミングを見計らう場面などでは、ついワイパーが動いてしまったり。慌ててそれを止めようとするとさらに高速ワイパーになったりして。照れるなぁ。
ライトのスイッチはレバーにはなく、右サイドに独立しています。数十年前、オンボロのボルボに乗っていたとき、大きくてカチッとしたライト操作が好ましかったことを思い出しました。それに比べてこの車はライト操作の感触が良くないな…と思ったら、不自然に少しへこんでいました。ライトのオン/オフには問題ありませんが、不具合なのでしょう。
ウインカー、ワイパー、ライトなどの基本操作は安全運転にも影響を及ぼすので、いつもの慣れた操作ができるように輸入車を借りるお客様もいる、とレンタカー屋さんが言っていました。
エアコンはオート任せで 温度設定しか触らなかったので、細かい操作はよく分かりません。スイッチの絵柄を見れば最低限は使えそうです。
ドライバー席の周辺はこんな感じです。
そうそう、レンタカー屋さんに教えられて知ったのが、ETCの場所。ルームミラーの右側からカードを入れるのだと。出し入れしやすく邪魔にもならず、いい場所ですね。レンタカーを借りて思いがけず不便に感じるのが、ETCカードの場所だったりします。
押し込めばきれいに収まります。カードが正しい向きかどうか、ミラーの上にある小さなディスプレイに表示されます。今回は高速道路の無料区間しか走らなかったので、ETCは使いませんでした。
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長くなるので分けてお届けしています。次回(その3)は、ようやく走りへ。
※ 写真はすべて、2023年5月の北海道で、やぶ悟空撮影