BMW X2 って、どうかな
秋の三連休、クルマ記事の3日連続放出。最終3日目は 最近乗ったこのクルマ。
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古い 320i (E90) の走りっぷりが 軽に馴染んだ身体と感性に衝撃を与えて、いっきに40年以上も若返った “気分” にしてくれたのが1年半前。
そんな感触をまた味わいたくなって、割高な料金設定の繁忙期が過ぎた秋の日に、“X2” ってのを借りた。初代の X2(F39)だ。
長さ4.4メートルにも満たないBMWって、あったんだ。流行りのSUVタイプにも見えるけど、背が低めで威圧感は少ない。Sport Activity Coupe って言うらしい。
高さは1.5メートルを数センチ超えるけど、わが家の軽より10センチほど屋根が低い。最低地上高はその軽と同じ18センチ確保されているから、砂利道や積雪のわだちでも少しは安心だし、乗り降りもしやすそうだ。小さめのドアは 狭い駐車場での不便を和らげてくれる。
でも幅はしっかりあって、1.8メートルより足のサイズ分ほど広い。xDrive(4輪駆動)は わが街では必須じゃないと思いつつあるけど、四駆なら冬の北海道で安心感は高まる。
後ろのハッチを開くとわが家の使い方なら十分な広さがあった。見たとおり、間口がそう広くはないけど、もうキャンプも行かないしな。
むやみに新しさ感を出そうとしていないのがいい。ボタンを押す、ダイヤルを回す、レバーを動かすという操作の感覚や感触を大事にしてくれている。ナビのタッチだけは今さらしょうがない。勘弁したる!
やっぱりこうでなくっちゃ。ブラックの背景に白文字とアナログ指針。奇抜な色や光、余計なデザインなんて一切いらないんだよ。とても好ましい見やすさだ。
走行距離は2万3千キロほど。調子が出てきたころか。登録からまだ2年経っていない。
この日はべったり8/8の曇り。室内のルーフライナーが閉まっていたから「電動パノラマ・ガラス・サンルーフ」に気付かなかった。前半分が全開したりチルトできる。これだけガラス面が広いと、モーターや開閉機構も含めて頭上がかなり重そうだな。
むかし乗っていたボルボ740エステートはサンルーフ付きの中古車で、うれしくてよく開けて走ったっけ。でも日差しが暑いのと、室内が明るくなって外からの視線が気になるのとで、結局使うのはチルトだけになった。チルトアップした隙間から吸い出す換気能力が高くて、タバコは吸わないけど気持ち良かったっけ。
運転席の前に見える四角いのは、ヘッドアップディスプレイの投射部だろう。速度計はアナログ指針だけど、フロントガラスには速度がデジタル表示される。
日高の牧場でひと休み。馬だけでなく、アカゲラも X2を見ようと すぐそばまで寄って来た。
この X2は、2リッター4気筒ディーゼルエンジンが横置きされて “20d” と名付けられている。2020年から日本に投入された、と。エンジン型式は「B47C20B」。可変インテイク・ターボチャージャーが付いて、190ps/40.8kgf・m を出す。
以前に借りた、ミニ・クロスオーバーの写真と比べてみると、エンジンカバーのわずかな違い以外はまったく同じ。当然だよ、同じエンジン型式なんだから。
このディーゼルターボは、とにかくすばらしい! X2も MINIも車両重量は1.7トンほどもあるけど、ノーマルモードでも十分気持ち良く走るし、スポーツに切り換えればもっとだ!
BMW X2 と MINI CROSSOVER は同じプラットフォームだというから、エンジン以外でも共通点が多いことに気付く。
X2 (F39) のスタイルは好きだ。でも、安全確認のため振り返る後方視界は良くない。写真の真ん中、いわゆるCピラー(前から3本目の柱)が太いデザインになっているから、左後方がよく見えない。
外から見ると、さほど太くは見えないデザインになっている。でも車内からだと斜線の部分が広く死角になる。(左後ろの適当な写真が見当たらなかったので、右後ろを使った)
電子制御のさまざまな安全装備には各社熱心でとてもドライバーの助けになっているけど、安全でいちばん基本的な「視界の広さ」が疎かになっていないかな? デザインの良さと視界の広さは必ず両立できるはず。もちろん、剛性を低下させずに。
BMW X2 xDrive20d の M Sport X は、標準で 19インチのアロイ・ホイールを履いている。この「アロイ」って、アルミ合金でしょ。アルミホイールって言っちゃダメなの?
タイヤは GOODYEAR の「EAGLE F1 ASYMMETRIC 3」、パンクしてもしばらく走ることのできるランフラットタイヤで、前後同じ 225/45R19 96W だった。製造は2022年。
コーナリングは気持ち良かった! 普通の道を走っているときは気にも留めないのに、ワインディングに入るとステアリングが明らかにクイックになってロールも感じさせない。もっと高速だってコーナーに入れるゾ!って、そそのかす悪いヤツだ。
乗り心地にしなやかさや柔らかさは感じなかった。扁平率45%、たわみの少ないランフラットだし、MスポーツX のサス・セッティングなんだろう。Mスポじゃないのがあるなら比較したいな。
ホイールベースは2.67メートル確保されている(MINI CROSSOVER も同じ)。車検証では「車体の形状:ステーションワゴン」だ。う~ん、コロンと短くスタイリッシュ! あたしゃ嫌いじゃないよ、十分すぎる動力性能があって運転もしやすかったし。ただ、見た目のカッコ良さだけなら3シリーズセダンや4シリーズグランクーペ(F36)に軍配を上げるかな。
でも、高齢者は車高が低いと乗り降りが大変だから、その点では X2 が間違いなく有利!
さすがにこのスタイルだと、BMWこだわりの重量バランス 50:50 にはならなかったようで、車両重量 1,680 kg が 前 950 kg(56.5 %)、後 730 kg(43.5 %)に配分されている。でも、コーナリングで前重は感じなかったな。xDrive のトルク制御が上手いからなのか。まぁ、あたしの運転じゃ気付くわけないけど…。
10月の声を聞き、陽が短くなっているのに改めて気付かされる。きょうは終日、太陽を見ない空だったから なおさらだ。
本日の走行距離は 210.7キロ。軽油は満タンで 13.85リットル入ったから、リッター当たり15キロ以上の計算になる。
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BMW X2 xDrive20d、M Sport X
初度登録:令和4(2022)年11月
型式:3DA-YL20
長さ 4375 mm × 幅 1825 mm × 高さ 1535 mm
車両重量 1680 kg
原動機の型式:B47C20B
1995 cc、直列4気筒DOHC16バルブディーゼル、可変ターボ
190 ps / 4000 rpm
40.8 kgf・m / 1750-2500 rpm
8速AT
あれっ、「M」が逆さま!
※ 個人の感想です。忘れないうちに…と書き留めたもの。
※ 写真はすべて、2024年10月、やぶ悟空撮影(一部画像処理)