護衛艦のヘリコプター、苫小牧西港で
夏になると、苫小牧に自衛隊の船がやってきて一般公開してくれます。ことし2024年は、海上自衛隊のヘリコプター搭載護衛艦「いせ」が 7月下旬に入港しました。ヘリコプター用の空母ですね。
ちょうど北海道へ避暑に来ていた小学生と一緒に見学しました。
船の中に入ると、でっかいエレベーターが出迎えてくれました。ヘリコプターを10機も搭載できるそうで、それを甲板に上げ下ろしする昇降機です。
ヘリコプターになったつもりでその巨大エレベーターに乗り、ガーッと上がっていくとブリッジが見えてきました。
私の目当ては艦船ではなく、これ。あいにくの小雨でしたが、ヘリコプターが1機、展示されていました。哨戒ヘリコプター SH-60K です。
機内に入ることはできませんが、近くで見せていただきました。
「防衛省、型式 SH-60K、三菱重工業」という銘板が固定され、(SH-60K 8471)とあります。
「曲がってる!」と声を上げたのは小3男子。ローターブレードの翼端が 10°上がってから 20°下がり、さらに50°下がっているのを見つけたのです。
「ミサイル!」というので訂正しておきました。潜水艦を探す装置らしいよ…と。
磁気探知装置(潜航する潜水艦が発する磁気の乱れを探知して位置を特定するもの)。しくみがいまひとつ理解できませんが…。
折りたたみ用のヒンジに驚いていました。「畳めるんだぁ」。「いせ」の広い格納庫なら、畳まなくてもいいかもしれません。
「8471」号機、テールフィンに書いてありました。
一人で見に来ていたら、ヘリの観察と撮影で小一時間かかっていたはず。同行者がマニアックな高齢者を待っているので、後ろ髪(無いけど)をひかれつつ 早々に切り上げました。
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ことし4月20日、夜間訓練中のSH-60K 2機が空中衝突するという、痛ましい事故が発生しました。飛行の状況は、それぞれのヘリコプターに搭載されていたフライトレコーダーの記録データから明らかになり、7月9日に飛行航跡が公表されたところです。(冒頭写真の丸い形のものが SH-60Kのフライトレコーダー)
この図は、時事通信ニュース(2024-07-09 12:03 社会)「見張り、高度管理に不備=指揮官の連携にも課題―ヘリ衝突事故で調査結果・海自」という記事の図を引用させていただきました。
事故機のうち1機(8416号機)は、そのとき 護衛艦「いせ」の指揮下にあり、事故のおよそ1時間前に「いせ」で燃料補給を行っていました(海上幕僚監部の公表資料による)。
この事故では8名の隊員とヘリコプター2機が失われました。ご冥福をお祈りします。
※ 画像の一部を加工してあります
※ 写真はすべてスマホで、2024年7月、やぶ悟空撮影