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札幌ACCの空域削減
この6月13日、札幌航空交通管制部(札幌ACC)の担当空域が削られました。
![](https://assets.st-note.com/img/1717983315758-Q9ftY407N9.png?width=1200)
上段に示したフライトレベル335(FL335)以上の高高度空域は、すべて福岡ACCに移りました。下段のFL335未満の低高度空域でも、FIRの境界付近のセクターは福岡ACCが受け持つことになりました。
S91セクター → F01セクター
S94セクター → F94セクター
ことし3月21日に行われた札幌ACCのセクター変更は、当然でしょうが これを見越したセクター再編だったようです。
![](https://assets.st-note.com/img/1717983330917-B5TuCb8V1y.png?width=1200)
そもそも…の話に戻ると、航空局は5年以上前から「国内管制空域の抜本的再編」を進めていました。その最初の段階は、2018年10月に那覇ACCを廃止して神戸ACCを発足させたあたりから始まっていたと、私は思います。
国内管制空域を「高高度」(巡航機)と「低高度」(近距離及び空港周辺の上昇降下機)に上下分離することにより、管制処理の効率性向上等を図ることで管制取扱可能機数の増加を図る
上の図では途中の移行状態を省略していますが、最終的には那覇ACCだけでなく札幌ACCも廃止されることになります。まもなく…でしょう。
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2024年6月13日以降の札幌ACCセクターは、S30、S21 および S32の3つになりました。この状態は たぶん短い期間ですが、セクター構成を作図しました。(地理院地図に加筆)
![](https://assets.st-note.com/img/1717983387774-2muwkeamvC.png?width=1200)
FL245未満の札幌ACCセクター構成です。
このACC空域の下には、6つの進入管制区(Approach Control Area)が拡がっています。北から順に、
日高進入管制区
札幌進入管制区
千歳進入管制区
函館進入管制区
三沢進入管制区
白神進入管制区
です。これらの進入管制区については、こちらの記事をご覧ください。
![](https://assets.st-note.com/img/1717983413852-V3dMTtIrzN.png?width=1200)
フライトレベル245以上 265未満 のセクター構成。S21セクターが南に拡がっただけです。
![](https://assets.st-note.com/img/1717983431088-M6bE8QFmtK.png?width=1200)
フライトレベル265以上 335未満 のセクター構成です。
道北の稚内空港、利尻空港、礼文空港(休止中)や、オホーツク海側の紋別空港、女満別空港、そして中標津空港はセクター外ですが、この高度帯ではまったく影響ないでしょう(女満別空港と中標津空港は日高進入管制区の空域に入っています)。これより上、FL335以上の高高度空域は、福岡ACCが担当することになりました。
札幌ACCとしては最後の空域、引き続き安全運航で終えることができますよう…。
<略語>
ACC : Area Control Center、航空交通管制部
AIP : Aeronautical Information Publication、航空路誌
ATMC : Air Traffic Management Center、航空交通管理センター
FIR : Flight Information Region、飛行情報区
FL : Flight Level、フライトレベル
![](https://assets.st-note.com/img/1717983469177-cnopCyy54t.jpg?width=1200)
※ 写真はいずれも、2021年1月、やぶ悟空撮影