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戻らぬ主人、乗り捨てアルファード

ここは新千歳空港にある自走式の立体駐車場。7月下旬、客人を降ろしてから車を入れると、何台か横の 薄汚れたクルマが目に留まった。


▲ 黒っぽいミニバン

いわゆるミニバンだが、茨城県の水戸ナンバーとは珍しい。かなり埃が積もっていて、汚れた窓ガラスには紙が貼ってあった。


▲ 警告書

ことし3月中旬の日付なので、少なくとも4か月以上はここに放置されていることになる。告知文を貼るまでにも ある程度の猶予期間があっただろうから、実際には半年か それ以上になるのかもしれない。とうに「3カ月経過」しているが、まだ処分はされていない。このテの個人財産の扱いは、何かと厄介らしいと聞く。余計な手間や無駄な費用もかかるだろうしね。


▲ ご主人待ち

いらなくなって、故意に放置したわけではないだろう。マイカーで来道中、急ぎ飛行機で戻らざるを得ない呼び出しが入ったとか、その後やむを得ない事情で取りに来ることができなくなったとか…。あれこれ勝手な妄想を膨らませれば、短いドラマが1本書けるのかもしれない。

ところで、これ、何ていうクルマ?


▲ アルファードV(トヨタ自動車株式会社のwebサイトから引用)

どうやら、コレらしい。
(トヨタの車種情報、アルファードV歴代モデル一覧より)

アルファードと言えば、「ミニバンのフラッグシップをめざし、国産最上級の室内空間を創造した…」(同情報より)という高級車。これよりもずっと新しいハイブリッドのアルファードに、わが家のお隣りさんが乗っている。

うちの軽自動車には入りきらない人数で出かけるとき、レンタカーで姉妹車のヴェルファイアを借りたことがあった(冒頭の写真)。レンタル料金が高いのは仕方ないが、背も高いクルマなので乗り降りが大変だった。園児と低学年児にその両親、そして高齢夫婦である。スポーツカーのように車高が低くて、痛いひざを曲げ頭をぶつけるのも厄介だが、座席によじ登るように乗り込むのもつらい。でも、乗ってしまえばとても快適だったんだけどね。

年式が古いとはいえ、そんないいクルマを空港の駐車場に置き去りにするなんて、いったいどんな事情があったんだろう。ドラマを書こうにも、キーワード「水戸」から膨らませることができる妄想って、老いぼれブレインには「納豆」と「黄門さま」ぐらいしか浮かばなかったよ。


※ 一部、画像処理しています
※ 写真はすべてスマホで、やぶ悟空撮影

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