見出し画像

丘珠でHAC

感染拡大を避けるため、ずいぶん長いこと札幌へは行っていませんでした。…が、この5月の陽気に誘われて丘珠空港へと軽を走らせたのでした。久しぶりっ!

▲ 飛行機を眺めながら芝生でくつろぐおじさん

北海道エアシステム(HAC)の使用機は、私が訪れていなかった2年近くの間に SAAB 340B から ATR 42-600へと全機入れ替わっていました。JA11HCJA12HC、そして JA13HCの3機です。

ところが、この日はなぜか13HCが格納庫から出てきません。

▲ ハンガー内の JA13HC

後で知ったのですが、この13HC(3号機)に関しては、「左主脚の車輪取付部の一部に傷が確認され部品交換を行っています。」という「重要なお知らせ:2022年5月18日付)が出ていました。その整備作業に伴って5月19日から21日までの間、一部の便で欠航が発生し、また、新千歳~函館の間でJ-AIRのエンブラエル機による代替運航が行われたようです。

加えて、flightradar24を見ると 5月21日と22日は日本エアコミューター(JAC)の同型機 JA04JCが応援に来ていました。

JA04JCATR42-600の飛行リスト(flightradar24)

21日午前に鹿児島から丘珠まで移動し、午後にはすぐ丘珠~釧路便として2往復しました。翌22日は釧路往復から始まり、女満別、釧路、函館、女満別へ、助っ人として一日中よく働いたようです。そして、HACの3機が全機復活した23日に、JACのJA04JC機は鹿児島に戻っていきました。

-+-+-+-

ところで、「左主脚の車輪取付部の一部に傷」って、どのあたりなのでしょう?

ATR42の左主脚(英国航空事故調査局の報告書=AAIB Bulletin 10/2013 より引用)

この図はATR42-320型機のものですが、HACのATR42-600型機と大きな違いはないはずです。「車輪取付部」付近のどこかの部品が交換されたのでしょうね。

ついでに、私の好きな脚を格納する図も載せておきます。

ATR42の主脚格納(英国航空事故調査局の報告書=AAIB Bulletin 10/2013 より引用)

実はこの日、もう1機 12HCも調子が良くなかったようです。朝イチの函館行きがなかなか出発せずおかしいなと思っていたら、搭乗済みのお客さまが降機しはじめました。機体は、何やら右エンジン付近を点検されていたようです。

JA12HC機の点検

この便は欠航となりましたが、次の函館便までには使用できるようになりました。

▲ 滑走路14へと地上走行する JA12HC
▲ 場周道路で軽く汗を流す陸自隊員と

丘珠空港は、誘導路の間近で撮影できるのがいいですね。

▲ 函館に向かって離陸した JA12HC

そして元気に飛び立っていきました。

わずか3機しかない航空会社、北海道エアシステム。2014年にJALグループに復帰し、今はすべてJAL便として飛行しています。時間を要する定期点検や機材の不具合などの際には、同じくJALグループで同じATR42-600を運航する日本エアコミューターとの間で整備設備や機材を融通しながらまわしているということでしょう。

JR北海道の路線縮退が加速されつつある中、道内を結ぶローカル航空路線は鉄路に比べれば維持しやすいのではないかと思います。JRのように毎日の通学に使われるというわけではありませんが、通院にも活用されている貴重な生活航空路線として守っていく必要があるでしょう。

-+-+-+-

ちょうど、丘珠空港の滑走路300メートル延長のニュースが入ってきました。いずれ私のnoteでも取り上げようかと思います。


※ 写真はすべて、2022年5月、やぶ悟空撮影

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?