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異動・役割変更前にリセット!転換期に長期休暇をオススメする理由

こんにちは。薮田(@yabucccchi)と申します。

人事異動や仕事の転換期、皆さんはどんなふうに過ごしていますか?休みを取りますか?多くの人が「引継ぎで忙しく、次の仕事に直行」「休むのは申し訳ない」と感じているかもしれません。

昨年、私は仕事の転換期に21日間休みを取りました。リフレッシュと同時に、自分の不在時に業務が周るかの確認をしたかったことも休んだ理由です。自分の経験から、役割変更時に長期休暇を取ることの価値を感じていたのですが、私以外にも同じく休暇を取った方が身近に二人いました。

お二人にインタビューを実施し、転換期の長期休暇のメリットを言語化してみたので、異動前の方や、長期休みを取ることを躊躇している方にお届けしたいと思います。


登場人物

  • 玉木諒さん
    変更前:取締役 CFO(最高財務責任者)
    変更後:取締役 常勤監査等委員

    交代に関するnote

  • 稲船祐介さん
    変更前:VP of Customer Success
    変更前:グロースマーケット事業本部 プランニング本部 本部長

    交代に関するnote

  • 薮田孝仁(インタビューした人)
    変更前:VP o HR
    変更後:CEO室(人事/広報)

    交代に関するnote

※本インタビューは2024.3.18時点のものです

インタビュー

質問:今回の転換期に長期休みを取るにいたった理由は?

玉木さん:僕は、役割変更が決まる前から育休を取ることが決まっていました。期間は、40日間くらいです。役割変更を機に休もうと決めたわけではないんですが、振り返ってみると、休むことができて本当に良かったと思います。

休暇の最初の1週間は家族が産院から帰ってくるまでの準備期間として使いました。そして家族が帰ってきてからは、子育てと家事に追われる毎日で、かなりカオスでしたね。

当時は慣れない育児でバタバタしていたこともあり、最近妻から「ひとりでどこかに行ってきたら?」という後押しをもらいました。なので、復職後ですが、今度2泊3日で一人旅を計画しています。海沿いでサウナがある場所を探しているところです。

稲船さん: 実は、最初に長期休みを考えたわけではなかったんです。芹澤さんや薮田さんから勧められたんですよ。年末年始は休むから特に必要ないと思っていたのですが、彼らからはそれとは別で休むべきだと強く勧められました。

最終的に家族に相談したところ、妻からは「いいじゃん、休んで海外でも行ってきたら?」と背中を押されましたね。家族全員から、家を空けてもいいという後押しを得られたので、思い切って海外に行くことを決めました。
ちなみに、CEOの芹澤さんに「スペインのサンセバスチャンがいいよ」と勧められて、スペイン行きを決めたんです。ただ、日程の都合上、サンセバスチャンには行けませんでした。。

海外旅行を含め、休みは合計で15日間でした。そのうち、スペインでは6泊8日を過ごしました。残りの日々は、日本でのんびりと過ごしていました。

質問: 長期休暇を取る上で特に意識したことや、その期間中に感じた気持ちの変化についてお聞かせいただけますか?

玉木さん:休暇中は可能な限り仕事から離れるようにしました。Slackも開かず(チームの皆さん本当にありがとうございます)、仕事はなんとかなっているだろうと思っていました。もし本当に私が必要な状況になったら、連絡がくるだろうと考えて、多少のことは気にしないようにしました。

休暇を取ったことで、気持ちの変化がありました。特に、子供が生まれたことによる生活スタイルの変化と、休んだこと自体の影響が大きかったですね。これは、笑い話なんですが、よく笑うようになったと周囲から言われることが増えました。以前の知らず知らずのうちにピリピリしていた時期から、休暇期間を経て気持ちの余裕が生まれたのかもしれません。

仕事に対する考え方も変化がありました。1ヶ月ちょっと仕事を気にしない生活を経て、自分がどれだけ仕事中心の生活になっていたかを客観的に見ることができました。仕事をがんばるのはいいですが、それだけが人生の100%を占めることになってしまいます。人生の中で仕事は重要な一つの要素ではあるものの、あくまで一要素のため、仕事以外の要素も大切にしようと思えるようになりました。

休む前はマインドシェアの多くを仕事に使っていましたが、それをゼロにすると、人間は何も考えないわけにはいかず、その余白を埋めるために、自然と違うことを考えるようになります。その過程で、新たな発見や気づきがありました。日々の仕事のことを一時的に頭から追い出すことで、新しい視点や興味を見つけ出すことができたんだと思います。

稲船さん: この休暇では主に仕事から離れることを意識しました。普段はSlackなども休日に見ることに抵抗がなかったのですが、この期間は意識的に距離を置くことを心がけました。僕はもともと、常にエンジンをかけておかないとパフォーマンスが維持できないタイプなんですが、一度完全にオフにしてみることにしたんです。

実際にSlackを完全に見ないようにして、自分のことだけに集中しました。自分の興味や楽しみを追求する時間を持つことで、自分が何に価値を見出すのか、新たな発見がありました。具体的には、スペインで美術館に行った体験が新鮮で、以前は無知だった絵画に興味を持つようになりました。そのときに美術館で見た気に入った絵の絵葉書を購入し、自分のデスクに飾っています。

そういった休暇の体験から、大きな気づきがありました。自分の興味や関心事を探求することの大切さを実感しました。死ぬ間際になってからでは遅い、もっと早くから自分の中の豊かさを探求していくべきだったと。そして、仕事へのモチベーションも変わりました。以前は仕事自体がモチベーションの源泉でしたが、今は絵を見に行くことなど、自分の興味を深めるためにも仕事を頑張ろうという新たな動機付けが加わりました。

質問:休む前の準備として、具体的にどのようなことを行いましたか?また、休んだ後の職場での変化はありましたか?

玉木さん:はい、実はとても重要なポイントがあります。一度休むと決めたら、「何かあったらいつでも連絡をください」と中途半端に言わず、本当に休むことに集中することが大切です。一度仕事から離れ切る決意をすることで、休暇の時間をフルに活用できます。そうしないと、心から休むことがきず、メリハリが効かないまま仕事に戻ることになってしまいます。

実際、復職してみたところ、ある意味寂しいのですが、業務に大した支障は出ていませんでした。

自分がいなくてもちゃんと業務が回る状況を作ることができたのは、事前に時間をかけて権限委譲ができていたのもありますし、一緒に働いているチームの皆さんが日々強い責任感を持って業務にあたってくれていたからだと思います。皆さんには本当に頭があがりません。

稲船さん: 自律駆動というカルチャーや、権限委譲をしていこという風土のかげで、私が休んでも職場に影響が無いという状況ができたんだと思います。休んでいる間に、特に問題が起こらなかったことを見て、自分がいなくても他のマネージャーに任せられる状態を作ることができたと実感しました。これは、自分自身の自己肯定感にも繋がりましたね。

最後に:役割が変わる人たちへ、転換期の方へメッセージをお願いします。

玉木さん:転職の際には有給を消化する機会がありますが、社内での異動や役割変更の時は休むのが難しいと感じることがあります。新しい役割に早く慣れなければならないというプレッシャーから、焦りを感じることもあるでしょう。

しかし、そういう時こそが、日常から一歩離れて自分自身を見つめ直し、新しいことを発見する絶好の機会になります。このような期間を経ることで、結果的には新たな仕事へのモチベーションが生まれ、次のステップへと進むための良いきっかけだと思います。

特に社内の異動や役割変更の場合、自分自身で明確な区切りをつけることが、後々のキャリアにおいても非常に有効です。新たな環境への適応を助け、心機一転して取り組むためにも、休むことをお勧めします。

また、こうやって長期休暇が取れたのは周囲の同僚の皆さんの理解やサポートがあってこそだったと思うので、感謝するとともに、自分がサポートする側になる機会があれば気持ちよく休んでもらえるように全力でサポートしようと改めて思いました。

稲船さん: 役割変更を経験し、新たなステップに進む際、私たちは良くも悪くも過去の自分が果たしてきた役割に未練ややり残したことがあるものです。そういった過去からの繋がりを断ち切り、新しいステージで健全にスタートするためにも、長期間の休暇を取ることは非常に有益でした。

仕事を続ける中での気持ちの切り替えはなかなか難しいものがあります。しかし、長期休暇を通じて、自分自身で心機一転することができたのです。この経験から、役割が変わる皆さんにも、もし可能であれば長期休暇を取ることをお勧めします。それが、次のステージへと健全に踏み出すための良い機会になると思います。

インタビューを終えて、思ったこと。

お二人のお話を聞いて、とても賛同することばかりでした。自分の休暇の体験も含め、5つほど学びがあったのでまとめとして箇条書きします。

5つの学び

  1. 休みは自分だけで決めにくい。思い切って周囲に相談すると後押しがもらえるかも。そのときに、引き継ぎをしっかりと行い、その約束を守ること。

  2. 休むことによって権限の移譲が進み、自分がいない状態を作ることで、その効果を測ることができる。結果的に引き継ぎを行ったメンバーには、新たなキャリアチャレンジの自信につながる。

  3. 仕事を継続していても、心の切り替えが難しい。休むことで心機一転が可能になる。休息により心に余裕が生まれ、結果として笑顔が増え、周囲の人々も幸せになる。

  4. 休み中には仕事のことを忘れること。そうすることで、新たな自分を発見するチャンスが生まれる。

  5. 周囲への感謝を忘れない。他の人も同様の体験ができるように、自分が送り出す側になったときに支援できるような気持ちを忘れないこと。

転換期の長期休暇を実現する上で最も重要なことは、休める環境があるかどうか、作れるかどうかです。権限委譲の風土、メンバーそれぞれが自律駆動をしていくカルチャーができていくことを意識していけると休める環境になると思います。

さて、本文には書いてないのですが、転換期の長期休みについて3人で話している最中にこんな話がありました。

「普段の日曜祝日は仕事の疲れをとるための休み。結局仕事のための休み。我々は本当の休みを知らなかったかもしれないですね。」

転換期の休暇。『夏休み』や『サバティカル休暇』とは一味違った休暇の方法かもしれません。異動のタイミング等があれば、ぜひお試しください。


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