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読書「多摩川水流紀行」 大内尚樹著 白山書房 河川から発信する都市問題

ひさびさに、多摩川に関する本の紹介です。

1 本書
著者の大内さんは日本の秘境の山を巡る旅、沢登りなどで活躍され、沢山の本を書かれています。本書は、他の本と一線を画し、自身の住む街(多摩ニュータウン)を流れる多摩川が対象で、河口から源流まで歩く道中の心理描写が話しの中心でした。目の前にでてくる構造物(時に入れない)やフェンスを、ばかばかしさを感じつつ避けたりして越え、汚れと不法投棄・腐臭などにめげないで歩き続けます。ここまでして歩かなくてもいいとも思うのですが、こだわることで社会問題を示す姿勢がすばらしいです。

2 本書との出会い
普段はあまり利用しない、近所の図書館分室の地域図書コーナーで見つけて、じっくり読もうと思い、購入しました。

3 河川から発信する都市問題
多摩川、川際を歩いてみると、ゴミ、不法投棄などが目に入るし、少し、いやな匂いがします。河川敷は、遠くから見るときれいな緑ですが、帰化植物がはびこり、そこだけが外国のようです。綺麗な海も同じで、近寄ってみると、ぼろぼろになったペットボトルやコンビニの袋が浮いていたりします。
問題が見えないと、人々が意識できません。河川敷は危険な場所ではないのだから、綺麗な面だけでなく、汚い面も見れるようできなきでしょうか?
先月、埼玉県でおきた、下水管が破壊した問題も、見えない危険に恐怖を感じました。私達の住む地下がどうなっているのか、下水がどんなのか、一部でいいので見れるようにして欲しいです。

写真1 2019年の台風19号通過後の多摩川中流
運動場、散歩道は全て水没
写真2 河川敷を埋め尽くすハルシャギク(帰化植物)
写真3 本書の表紙(著者撮影)

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