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読書「スパーカブはなぜ売れる」中部博著 集英社インターナショナル 30年どころか50年を越えてなお失わない価値を知る

1 本書
ホンダのオートバイ、中でも原付・小型のカブシリーズにフォーカスした物語です。誕生から世界への展開、世界各地での生産、販売体制などが書かれています。基本設計を変えないで、半世紀以上販売され、総販売台数1億台以上、その秘密が少しわかります。他のホンダを語る本と同じように、本田総一郎さんと藤沢武夫さんによる経営、戦略なども書かれています。
カブと言えば、自動遠心クラッチ(セミオートマ)なしには語れないはず、私としてはその開発話しをもう少し知りたいのですが、この本では、さらっと書いてあるだけなのが残念でした。クラッチ以外に、タイヤメーカに特注した独自のタイヤのサイズの選択が大ヒット・ロングセラーに繋がったことをこの本で知りました。

2 本書を紹介する背景
原付バイクの法改正で、排気量規制が50㏄から125㏄に変わり、メーカが50㏄のバイクの製造を中止しました。原付の響きに懐かしさを感じ、この本を紹介します。30歳台まで、中型のオフロードバイクと原付(スクーターとオフロード)を保有してました。原付は、私のようなへぼライダーでも、限界の動きを体験できたのと、自分でパーツを取り換えられる簡単な機構で大好きでした。三回にわけて、原付で、北九州から東京まで走った経験があります。

3 30年どころか50年を越えてなお失わない価値を知る
失われた30年、よくマスコミが使う言葉、私は嫌いです。その時代が社会人まっただなかで、違う印象を受けているからです。失われたのは、永遠に皆が経済的に豊になる幻想だけでは?いろいろ思うことがありますが、この本の紹介から離れる話しはここまでにします。
ホンダのカブは、30年どころか50年を越えても価値が失われておらず、日本でも世界でも売れ続けています。似た安価な製品との販売競争にさらされるも、ポジションを譲り渡していません。車と比較すれば安価な製品ですが、安いなりでなく、高い技術を搭載して、品質を落とさない開発方針が成功の根底にあります。ホンダだけでも、カブだけでもありません。これまで日本発の多くの製品が同じような方針で開発されており、失われない価値を提供し続けています。新しい製品がこれからも、価値を生むはずなので、安易に失われた・・・年なんて言葉を使ってほしくない、おじさんのたわごとです。

写真は、この本で取り上げられちるベトナムの様子、バイクが活躍する様が伝わりますか?カブのコピーバイクも写っていかもしれないです(区別できるほど知識がないです)。

写真1 ホーチミンの市場 2003年
写真2 メコンデルタで川を渡るフェリー 2003年 
写真3 北部サパ 少数民族が街から自宅へ帰るようす 2000年
写真4 本書の表紙(著者撮影)

写真1
写真2
写真3
写真4

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