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読書「海獣学者クジラを解剖する」 田島木綿子著 山と渓谷 知られざる科学者の仕事(1)
1 本書
国立科学博物館に勤める田島さんが日々の仕事を楽しく紹介するエッセイです。私のような専門でない人にもわかりやすい説明と、楽しエピソードがちりばめられてあり、帯の「またまた重版!」がうなづけます。
クジラの仲間は、海の中で暮らし、水族館でも簡単に飼えないので、直接の観察でなく、死体から学ぶ必要があることよくわかりました。図鑑や絵本でなく、田島さん達、研究者が製作した骨格標本を見れば、子供達により大きな印象が残ること間違いなしで、見に行った子供の中から、将来の田島さんが生まれるかもしれません。
2023年、大阪の淀川に迷いこんだマッコウクジラ「淀ちゃん」のニュースがありました。この時も、田島さんのような研究者がさまざな検討をしたはずです。「淀ちゃん」の場合は、生きたまま海に戻せず、標本にもできず、亡骸は運ばれて、海に返されました。
2 本書との出会い
ラジオで田島さんの話を聞いて興味を持ち、駅前書店で実物を見て買いました。
3 知られざる科学者の仕事
クジラの仲間は、過去に燃料(鯨油)、食材として私達の生活を支えてきました。今は、保護の時代で、研究結果は直接、私達の生活に関係しません。それでも、研究は続けるべきです。将来のためと、見えない海の中を想像する心を忘れないために。
動物、植物、乗り物・・・YoutubeどころかPCもない時代に育った私は、買ってもらった絵本/図鑑をぼろぼろになるまで眺めました。動物の版では、見開きにクジラ類一覧があったと記憶しています。世界一大きいな哺乳類シロナガスクジラ、北極海に住む珍獣イッカク、小さなヨウスコウカワイルカ・・・思い出して書いてるので、間違っていたらごめんなさい。ザトウクジラは一年で、アラスカと、ハワイや沖縄の間を行き来きします。釣り餌でもあるオキアミ、いったいどれぐらいオキアミを食べたらあの体がで維持できるのか?、海の中でどれほどのオキアミがいるか・・?
見えない海の中のことを考えだすと、止まらなくなります。
知られざる科学者の仕事、シリーズで他にも紹介するつもりで、タイトルに(1)をつけました。
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普段は山にしか行かないので、見ただけで圧倒されます
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