PPP的関心【PPP/PFI推進アクションプラン(令和4年改定版)をチェック】
先日(2022年6月3日付)で「PPP/PFI推進アクションプラン(令和4年改定版)」が内閣府より発表されました。毎年更新されるこのアクションプランは民間の資金と創意工夫を最大限活用するPPP/PFI施策の基本的な取り組み方針を示すものです。
今回アップデートされたポイントを前回アクションプランとの比較から確認してみたいと思います。
*写真は2018年に大学のメンバーで視察訪問したWestern Sydney AEROTROPOLIS Investmentという州機関@シドニー からの風景。
PPP/PFI推進アクションプラン(令和4年改定版)
(令和4年6月3日民間資金等活用事業推進会議決定)
概要版は以下です。
参考)比較のために。令和3年改訂版の概要はこちら→
「基本的な考え方」にみるトピック
デジタル+グリーン
「骨太方針2022(原案)」にも使われているデジタル(本アクションプランでは「デジタル⽥園都市国家構想の推進⼒として」という記述)、グリーン(同「カーボンニュートラル」「デジタル技術の社会実装など新たな政策課題へアプローチ」という記述)と関連したテーマが掲げられています。
また、前年までの事業規模目標が早く進んだこと(平成25年度から令和4年度までの事業規模目標21兆円を3年前倒しで達成)を受け更なる採用事業の加速(事業規模の拡大)や人口規模20万人以下の自治体での優先検討規程の策定促進に一層の注力をしてゆく意志を「令和4年度からの当初の5年間を「重点実行期間」として、関係府省が連携して支援策を拡充・重点投入」するとして明記されています。
「推進施策」にみるトピック
首長等の機運醸成と小規模自治体への支援注力
昨年度(PPP/PFI推進アクションプラン(令和3年改定版))では例えばコンセッションを念頭に置いた”集中取組方針”の対象として水道、 下水道、 クルーズ船旅客ターミナル施設、 MICE施設、空港という施設が挙げられていましたが、令和4年改訂版では新たに重点分野としてスタジアム・アリーナ、大学施設、公園を加えるなど新たな分野・領域におけるコンセッション等の拡大方針が明記されています。
また、先ほども書いた「グリーン」「デジタル」に加え 「地域交通」という言葉も注目されるキーワードだと思います。
別の注目点としては「⾸⻑等の機運醸成(トップセールスの実施。機構と連携)」「専⾨家派遣、伴⾛⽀援の強化。⼩規模⾃治体への⽀援の積極的実施」という表記が目につきます。PPP / PFI事業について未経験であることや理解の不足が「取り組みが進まない理由」とならないようにしよう、ということだと思います。
この辺りは個人的には機会拡大だと捉え、さまざまな連携機会を模索し活動していきたいと感じました。
「推進目標」にみるトピック
規模の拡大
令和3年改訂版まで記されていた「平成25年度から令和4年度までの事業規模目標21兆円(内訳は、コンセッション等7兆円、収益型事業等5兆円、公的不動産利活用4兆円、サービス購入型等5兆円)」を3年前倒しで早期達成したことで、新たな事業規模⽬標(期間は令和4年度〜13年度)は 30兆円 (内訳は、コンセッション7兆円(前の目標比±0兆円)、収益型事業7兆円(同+2兆円) 公的不動産利活⽤事業5兆円(同+1兆円)、サービス購⼊型等事業7兆円(同+2兆円)、取組強化4兆円(新)が掲げられました。
公的サービス、公共施設整備に関連する「発注方式」が変わる可能性やそのスピードが高まることは明らかだということです。
以前も書いた「地域企業」も変化にアジャストする必要がますます高まったということでもあります。
概要を拾い読みしただけのような記述となってしまいましたが、こうした動きを受けた変化はすぐに現れると思います。引き続き現場の変化を注視していきたいと思います。
今回はこのくらいで。