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制作について3 大好き♥エイジングペイント

逗子アートフェスティバル2020で展示した「空き家おくりびと」という作品の完成までを紹介しています。空き家アートプロジェクトマガジンにまとめていますので良かったらご覧ください。

これまでのながれ:人形をのせたリヤカーで逗子を巡ることにした。

今回はリヤカー作りを紹介します。
リヤカーは今後の展示や実用性を考え、新品を購入しペイントをすることにしました。エイジングペイントっていう古く見せる作業が含まれているんですが、すごーくが楽しかったんだよってことを共有したくてしたくて!

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学生の頃、上記のサビの写真集(錆/THE RUST  Elements for Artists and Designers Series )を買ったくらい本当に経年変化したものが大好きです。あ〜この本、なつかしいなあ。エイジングペイントはインテリアっぽいことやDIYではしたことあるけど自分の作品にも持ち込めたのははじめて。依頼ではなく自分の求めるままに自由にできて嬉しかった。今回はそんなワクワクが伝わりますように。

カスタム前のリヤカーはこちら。

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画像引用元:楽天市場ACOLE

ばりばりの新品ツヤツヤ感、アルミのならではの軽量感。これを重くて古いかんじにしあげたいところ。目指すは古びた鉄製のリヤカー。

今回は使い慣れているタカラ塗料さんの製品を終始活用しました。
タカラさんのウェブサイト、ごらんくださいな。ワクワクしますでしょ。


1サンドペーパーがけ
まずは塗料を塗る前の下地処理。
アルミはなにもしないと塗料を塗った後剥がれてしまうので、ひたすらサンドペーパーがけをし、表面に傷をつける。粉塵が舞うのでそれで石油系溶剤で拭き取り脱脂しつつきれいに。

2プライマー塗り
プライマー塗り(下地塗料)を塗る。製品名でいうところの非鉄バインダー。わかりやすし。これを塗ると塗らないではその後の塗料の定着が大違いなのである。塗った場所がわかるようグリーンの色がついています。

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3 初回塗装
鉄ならではの色を出すために今回は黒皮アイアン調の水性カラー「Black Scale Metallic」をチョイス。全くの艶なし重め色。ザラッとしたテクスチャー。

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4 満足するまで塗る
油絵をやっている人にはピンと来ると思うんだけど、色には奥行きというものが存在すると思う。マチエールを気にしながら、納得する奥行きや厚みが出るまで塗る。2回塗りで鉄っぽさがようやく少しでて、3回塗りで理想のぽってり重い鉄感出現&アルミの軽量感消滅に成功。

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このあたりから制作が楽しすぎて写真を撮ってもらうことすら忘れはじめる。

5 エイジング塗装
そこから更に年代を感じさせるためにサビ塗装を行う。
活用したのは、その名もずばり「錆エイジング塗料セット」。

この日のために実際のサビを観察してきた。
・表面というよりは細部や下のパーツなど水がたまりがちなところににサビが溜まりやすい。
・持ち手などの人の手がふれがちな部位はサビは発生しづらい。

それらを意識しながらスポンジや手、ボロ布、ときには霧吹きで水をかけたり、ふきとりながら、均一にならないように、ボロボロになるように塗り込めて、はい。完成!バンザイ!

といいつつ、まともに写真をとっていないのでもはや人形と旅しているときのの写真しかないのである。今回の記事で伝えたいのは「アップ」とか「ディテール」とか、「ああ、確かにそこは錆びるよね!」とかそういうやつですよ。われながら本当にけしからんものである!

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ちょうど障子張り替えワークショップをしていた日だと思うので作業風景や展示照明あててない、リヤカーだけの写真を持っている方いましたら是非、、是非ください!!エイジングペイント作業、動画で撮影しても楽しかったと思うの。嫌なことや辛いことがあった夜は、動物の動画を見たりするけど、きっと匹敵しうるほどであったろうに。悔しい!あんまり悔しいからかれこれ6年もお気に入りの子羊のyoutubeのURLを貼っておきます。(25秒)

私、頭おかしいのか?ってくらい何度見てもゲラゲラ笑っちゃうんですよね。何がどうして楽しいのか、自分でもよくわかりません。

エイジングペイントのワクワク伝わりましたでしょうか。
人形と旅に出ているときに通りすがりの方に言われて嬉しかったのは、
「よくもまあ、そんな古くて汚いリヤカー見つけてきたね」でした。

ああ、もう。それって最高の褒め言葉。

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