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会社員が資格試験の勉強時間を作り出すための話 #03

前回配信の#02からの続きの記事になります。短いですが、このシリーズでは今回が完結編です。


  1. 早朝・深夜の時間を利用する (#01で配信済み)

  2. 通勤時間・移動時間を活用する (#01で配信済み)

  3. 昼休みを利用する (#02で配信済み)

  4. 週末や休日を有効活用する (#02で配信済み)

  5. 仕事の合間に短時間の集中勉強を行う (#02で配信済み)

  6. 無駄な時間の削減 (#02で配信済み)

  7. 長距離移動中に聞き流しで耳学 (今回配信)

  8. 自分の勉強時間(数値)を記録する (今回配信) ※最も重要


7.長距離移動中に聞き流しで耳学

 これは交通安全と表裏一体なので、移動中はすべからく聞き流しをせよ、というつもりはありませんし、実際筆者もそこまではやっていませんでした。筆者は愛知県在住ですが、出身が九州で、お盆のお墓参りや実両親と会うために、高速道路を用いて自動車で移動することもしばしばあります。そのような長距離移動を行なう場合に、BGMとして音楽をかけたりラジオを流したりするのではなく、自分が勉強したい資格の、さらに特化した領域の動画や音声教材を繰り返し流すということをやってみてください。最初はBGMのように聞き流すことになるかもしれませんが、徐々に聞いている内容が自然と頭に入ってくるようになります。要は「何を言わんとしているのか、何が重要なのか」ということが単なる聞き流しではなく”理解”が伴うようになってきます。さらに次のステージに移行すると、「言っている言葉を丸暗記して食い気味にナレーションすることが出来る」レベルまでに達します。ここまで行けば、その領域はマスターしたといっても過言ではないでしょう。
ただ、この手法を用いるときは、実際の移動時間に照らし合わせ、最低5回、願わくば10回程度リピート再生できる教材や領域を選択するようにしてください。2時間の移動で1時間の教材の動画を聞き流しただけでは、2回しか聞くことはできません。これで”刷り込み”まで到達することは絶対にありません。例えば移動が3時間(=180分)と分かっているのであれば、18~20分程度の苦手な領域の教材を探してひたすらリピートで回し続けるということをやってみましょう。前述した通り、”刷り込み”レベルまで達します。かくいう筆者も、宅建の受験勉強時に一人で自動車で九州まで移動しなければならなくなり、「この時間を生かさない手はない!」と割り切り、YouTubeで『その他法令』分野の解説動画をひたすらリピートで流し続けたところ、たかだか片道10時間程度の移動時間で刷り込みが完了しました。
ただ、今一度断っておきますが、「安全第一」の姿勢が重要です。表現が難しく誤解を招くかもしれませんが、何度も表現している通り”刷り込み”レベルまで昇華させるには、無意識下に到達する必要があります。実践する際は、100%自己責任で行なってください。この点は重々ご承知おきいただくようお願いします。

8.自分の勉強時間(数値)を記録する

 この方法は「勉強時間を作る」ための行動というよりは、「毎日勉強する」というマインドセットを形成するための手段の一つです。「そもそも『毎日勉強する』という習慣を持っている人だったら、そりゃできますよね。私には無理です。」と感じる方も大勢いるかもしれません。いや、できます。実際に私もできましたし、私は特別な存在ではありません。これは後天的に身につけることができるスキルです。他にも同様の趣旨の動画や解説サイトが多数ありますが、先人たちも口をそろえて「毎日継続することの重要性」を説いています。
ただ、「毎日やれ、毎日やる習慣をつけろ」といっても、「具体的にどうやって?」という疑問を抱く方も多いと思います。そこで提案したいのが「勉強時間を記録する」という手法です。
特にデータ収集や数値管理が好きな理系の方に向いている方法と考えていますが、記録をつけ始めると「勉強しなかった」という事実を記録したくないという心理が働きます。これは、個人差がありますが、早い人で1週間、遅い人でも1か月続けると「ここで途切れさせたくない」、「ほんのわずかの勉強時間でいいから、ゼロではない記録を残そう」という心理が働きます。
もちろん肉体的・心理的に本当にしんどい時は休息を取ることも必要です。しかし、それでも「5分だけ、5問だけでもいいから、勉強してから休息を取らなければ」という強い強迫観念が作用する状態にまで至ります。”強迫観念”という作用が良いのか悪いのかという点については筆者は答えを持ち合わせていません。何故なら科学的な分析を行なったわけでもなく、そのような研究が行われたという学説を見たことが無いからです。
ただし、普段から勉強習慣が身についていない方や、「勉強する時間が無い」と時間を作ろうとせず言い訳ばかりをしている方にとっては、かなり荒治療にはなりますが、確実に大きな行動変容を期待できる方法だと考えています。「毎日勉強する」だとやはりハードルが高いので、「毎日勉強やれたというデータを取る(残す)」と考えましょう。昭和世代の方には通じると思いますが、小学生の頃に夏休みのラジオ体操で押してもらっていたスタンプと同じです。「コンプリートする」という感覚ですね。だまされたと思って是非やってみてください。


これら8つのアイデアは、忙しい会社員でも実践しやすく、効果的に資格試験の勉強を進めるための手助けとなるはずです。すべてのアイデアを実践する必要はありませんが、いくつか実践することで無意味なことに時間を費やしていることに対する罪悪感や恐怖、あるいは「勉強しなければならない」という強い意識が生まれます。これは、いわゆる『習慣化』がほぼ身に付いた状態と言えるでしょう。例えば「こんなことをしていて良いのだろうか」「こんなことに時間を浪費していいのだろうか」と感じるようになります。
ここまで達すれば、正直、ここで説明したアイデアはあまり重要ではなくなります。というのも、自発的に隙間時間を見つけて学習するようになり、ポジティブなサイクルが自然に回り続ける状態に達しているからです。私もその境地に達するまでに、それほど長い時間はかかりませんでした。最終的には、新幹線移動を伴う出張なども「新大阪までの移動時間が勉強時間に使える。ラッキー!」と思えるようになります。通常ならば朝からまとまった空き時間を作るのは難しいですが、出張中にたった1時間でも勉強時間が作れると「ラッキー!」と感じるようになるのです。
また、ちょっとした散歩の合間、パートナーが昼寝をしている合間、子供が部活で頑張っている合間なども勉強時間として有効活用できます。先ほど『長距離移動中に聞き流しで耳学』を紹介しましたが、必ずしも長距離移動でなくても、通勤時間帯や退勤時間帯の大渋滞ですら、「通常より30分長くかかるから、その間に30分勉強できるな」とポジティブに捉えることができるようになります。そういう意味で、これらの方法は「勉強時間を確保する」ためのものではなく、「勉強を習慣化し、ポジティブなマインドを育む」ための方法なのかもしれません。
その境地まで達すれば、誰からのアドバイスも必要無くなります。もちろん、私は行政書士までしか到達していませんので、司法書士や司法試験などの超難関資格に挑戦する方には、さらに高度なアドバイスが必要でしょう。しかし、会社員をしながら年間1,000時間程度の勉強をやり切るための方法として、これらのアイデアは有効であると信じています。






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