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患者さんが燃えた(訪問看護)
最近、訪問看護との連絡は連携アプリやLINEなどといった文字でのやりとりがほとんどとなった。
でも一昔前は電話。
ポヨ~ン、ポヨ~ンと鳴り続けるアプリの通知音に閉口する時はあるが、時間がある時に内容を確認すればいい。
でも電話は、順序よく並んでいる列の一番前に平気で割り込む人のようなものである。
診察中であろうと処置中であろうと、はたまた往診の移動中であろうと、お~い、早く出ろ~とばかりに鳴り続ける。
先生は直接会えば優しく対応してくれるのに、電話の時は何でそんなに不機嫌なんですか?と訪問看護。
理由は簡単。
かかってくる電話の 95%が嫌なことの連絡だから。
熱が出てます、吐いてます、痛がってます、苦しがってます、意識がありません、血圧が低下してます、息してません・・
特にこちらの体調が悪い時の電話攻撃は最悪。
自分でもわかるほど不機嫌になる。
結果、いい歳をしてブチっと切れる。
「超緊急以外、しばらく電話は禁止!」
「超緊急って言われても・・たとえばどんな時ですか?」
「患者さんが燃えたとか・・」
「はあ? 何、それ?」
気心の知れた訪問看護だからそれですむ。
さすがにしばらくは電話は来ないだろうと思っていたら、時を置かずにまた電話。
「何だよ!!」
「先生、加藤さん(仮名)が燃えました~」
「は?」
「在宅酸素をしながらタバコ吸って、鼻水を拭こうとしたティッシュに引火して、一瞬顔が燃えたそうです」
そしてけらけら笑いながら、「タバコはきつく止められてたから、頼むから先生には内緒にしてくれ~って言ってましたけど、鼻が真っ赤でところどころ皮が剥けてて、眉毛がチリチリ。内緒にしててもわかるって~」
ありがと。
ちょっと体調がよくなった気がする。