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有機化学の基礎

本日は有機化学の基礎ということで、早速見ていきましょう


はじめに

有機化学って聞いたことがあるし勉強しようと思っていたが、どこからやっていいかわからない。または、化学は嫌いだが、有機化学はその中でも苦手、、、でもテストが、、、という方々に届ける今回の有機化学基礎シリーズです。

有機化合物

まずは、基礎の基礎。命名を見ていきましょう。例えば、炭素が6つの化合物のこちらはヘキサン(hexane)といいます。


図1. ヘキサンの構造


そして、炭素の数が増えていくと、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、、、

と続いていくんですが、高校化学ではこれをすべて覚えなければならない、しかも覚えたところで初めてスタート地点に立てるという地獄のような作業が、多くの方を挫折させたのではないでしょうか。そもそもこの化学物質の名前はIUPACという組織によって決定されています。


国際純正応用化学連合(IUPAC)


International Union of Pure and Applied Chemistryの頭文字をとってIUPAC、アイユーパック、と呼ばれています。そしてIUPAC正式名=組織名(systematic name)であることも押さえておきましょう。

また以下の命名法はすべて組織名に分類されます。


  • 置換命名法(Substitutive nomenclature)

  • 基官能命名法(radicofunctional nomenclature)

  • 接合命名法(conjunctive nomenclature)

  • 代置換命名法(replacement nomenclature)

  • 同一単位集合型命名法(Nomenclature of assemblies of indenticalnits)

  • 付加命名法(additive nomenclature)

  • 減去命名法(subtractive nomenclature)


主に、教科書で出てくる命名法は置換命名法基官能命名法の二つ。そして、この組織名とは別に、慣用名というものもあります。一旦はこの3つの命名法を押さえておけばばっちりです。


古代ギリシア語


突然ですが、アメリカ国防総省の別名をご存じでしょうか。ご存じペンタゴンですね。この、ペンタゴンですが、名前の由来は上空から見ると五角形であることから。



古代ギリシア語では5をペンタ(penta)と呼び、この古代ギリシア語が化学の命名の上で避けては通れない言語なのです。早速表を見てみましょう。

nは数字を入れることができる箱だと考えていてください。例えば、炭素数が2(n = 2)であれば、水素Hの数は2*2+2で6となり、n = 2の化合物ehaneというわけです。


最低限、12までと、13~19までを飛ばして、20を覚えておくと応用が利いて便利です。


そして、世の中には古代ギリシア語由来の言葉が多いのでイメージをもって暗記すると覚えやすいかと思います。例えば、三角形の打楽器といえば、トライアングル(Triangle)ですし、タコは英語でOctopusですよね。


ちなみに、刑事さんのことをデカというのは、銃(十:deca)を持っているからなんだとか※。
※諸説あります。


アルカン(Alkane)


さて、読者のあなたにひとつ質問をします。


前章の表の中には炭化水素命名という列にアルカンの名前を列挙しています。共通点を探してみてください。


そう、アルカンは語尾がANEで終わっています。それが分かれば、アルカンの命名は簡単!

アルカンの命名 = 古代ギリシア数字 + ane

コツは英語で読み書きを覚えて、カタカナでも書けるようにしておくこと。


こうするとカタカナ一本で覚えるよりはるかに大量に、そしてミスが少なく覚えることができるんです。早速表をアップグレードしましょう。


ただ、前半の4つに関しては、完全に暗記です。
メタぁン、エタぁン、プロパぁン、ブタぁンと何度も唱えて覚えましょう。


まれに、頭文字だけ取ってメ・エ・プ・ブと覚える方がいらっしゃいますが、この後炭化水素の学習はアルケンアルキンにつながっていきます。Cが二つの化合物を例にとれば、エタン、エテン、エチンとパッと見で混乱を招くのでお勧めしません。


DHAとEPA


DHAはご存じでしょうか?


頭がよくなるといわれている、あれです。これは、青魚に豊富に含まれている不飽和脂肪酸なのですが、イメージは頭の回路の動きをスムーズにさせる潤滑油。


DHAよく似た物質にEPAがあります。これは体内でDHAに変換されたり、プロスタグランジンに変換されたりします。このプロスタグランジンは簡単に言えば血液をさらさらにしてくれるすごいやつなんです。


そのDHAとEPAですが、なんの略かというと、
DHA:ドコサヘキサエン酸(Docosahexaenoic acid)
EPA:エイコサペンタエン酸(Eicosapentaenoic acid)

それぞれ炭素数がいくつか予想してみてください。わかった方は、ぜひ、コメントで教えてくださいね!それでは、また次回の講座でお会いしましょう!

まとめ

いかがだったでしょうか。
高校の有機化学はそもそも覚えることが多すぎて楽しさを感じる前に挫折するというのが多くの高校生の通る道かなと思います。
その気持ちは痛いほどわかるので、すこしでも学びやすくなるような記事作りを研究中です。
ぜひ、こんなことが知りたい、こういう表現がわからないなどたくさんコメントをお待ちしています。

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