緑茶。と、夏景色。
珈琲、紅茶にハーブティー、そして日本茶などなど。
一日に何度かお茶するけれど
午後のお茶時間は、ゆっくりと
お気に入りの道具で淹れるところから楽しみたい。
銅の茶筒から粉引きのポットに茶葉を入れ
(この時、茶筒をなでて育っていくのを楽しむ)
湯冷ましで適温に冷ましたお湯をポットに注ぎ、適度に蒸らす。
(このわずかな時間でいかようにも味がかわってくるから奥深い)
ポットから湯飲み茶碗に注がれる綺麗な色の緑茶は、
とろりとした甘みが、ほどよい苦みとともに口に広がり
すっきりとした気分にしてくれる。
このふたつの道具と
まだまだ暑そうな窓の外を眺めながらのお茶時間は
まさに至福のひと時である。
40年間働いて、やり切った感満々で定年退職をした。
一気に脱力して頭と気持ちがボヤっとした。
本を読んでは字が見えずらく頭痛がし
手芸をしては目が疲れ、肩がこる。
そうか、若い時の趣味がずーっと出来るとは限らない
若い時のように、趣味に没頭出来るとは限らないのだ。
何か探さなくては!!何かしなくては!!
あまりお金のかからない趣味。体力的に負担のない趣味。
色々考えてみるが、
何もすることがないし、特にしたいこともない。
今日も一日何もしないで終わっちゃった。。。
何もしていない罪悪感でいっぱいだ。
何かしなくては、何か探さなくては。何か、何か、、、、、
強迫観念にさらされる日々を過ごしていくうちに
やっと最近思えるようになってきた。
何をしてもいいけど、何もしなくてもいいんじゃない???
有り余る時間をこんな贅沢につかえる、それこそが究極の幸せ。
残りの人世はそれでいい。それくらいでいい。
あぁ、今日の緑茶、上手に淹れられたな。おいしいな。
今日のところの幸せは
そんな些細なことでいいんじゃないかな。