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飛び降りて良かった清水の舞台

結婚した翌年のゴールデンウイーク、グアムに旅行した。
当時は円高で、今よりはるかに海外は行きやすかった。

前年のハワイが良すぎて、その小さい版を想像しての旅行だったが、
全然違った。

ハワイは、湿気がなくカラッとして爽やかで、
部屋からは綺麗な青い海が眺められ、プライベートビーチやプール、
夜中まで賑わう庭のバーラウンジ、ホテル内のショッピングなど
新婚旅行だったので多少贅沢版だったのに対し、

グアムは、湿気で蒸し暑く、海はナマコみたいなものがいっぱい、
何しろ格安ホテルを予約していたので、現地の案内人さんにまで
”あぁ、ゴキブリホテルね!”と、言われる始末。

まったく想像通りとはいかなかったのだ。

これは、グアムがダメだと言っているのではなく、
気候や現地のことを、事前にしっかり調べもせず、
そもそも、金額をケチっておきながら、いい思いができるなどと
勝手な思い込みと想像をしていた自分が悪かっただけなのだが。

こんな私なら、とりあえずは、順序を逆、
グアムの次にハワイに行ったほうがまだ良かったのかもしれない。

とはいえ、今となっては、海外など夢のまた夢。
どんな旅であれ、こうして懐かしく思い出に浸れるのも
行っといて良かった、行けてよかった、というのが今の心境。

話は円高に戻るのだが、
その当時、若い女の人などは特に、海外へ行った。
ブランド品を買うために。
まさに今、海外からの観光客が、日本でバンバン買い物しているように、
ルイヴィトンのブティックなどは、日本人でごった返していたという。

そんな私もしっかりその中の1人なわけで、
グアムで初めて、シャネルブティックに入ってみたのだ。

海外、特にリゾート地って、Tシャツに短パン、ビーチサンダルで
高級ブティックに入れるからハードルが低い気がした。
日本だとそういうわけにはいかないし、もし、そこで入らなかったら、
その後一生入れることはなかったと思う。

そんなこんなで、そこで見てしまったらもう、欲しくなってしまった。
シャネルのバックが。

当時の私にしたらそりゃ円高といえど高額なもので、
悩みに悩んで、相当悩みまくって、何時間そこにいたことか。。。
隣にいる夫の、引いてる、引きまくってる姿を、見て見ぬふりしながら、
え~い、や~、ついに飛び降りてしまいました。清水の舞台を。

隣にいた夫は、こんな金使いのあらいオンナと結婚してしまって、さぞや、
先が思いやられるとでも思ったであろう。

でも、でも、でも、私は全然後悔していませんよ!
むしろ、あの時の決断は、間違っていなかった!
あの時の私は、なんて見る目があったのか、サイコーじゃん私!!
ぐらいに思ってる。

このとろけるようなラムスキンにゴールドチェーン、シャネルマーク、
どれをとっても、素敵すぎる。
何十年たっても色褪せることのないこのバッグは、
今となってはとても手の届かない金額になっていて
ヴィンテージなども人気がある。


清水の舞台から飛び降りたシャネルバック

自分ヴィンテージとなったこのバッグは、将来、娘に譲り、
大切に使われていくことでしょう。(たぶん。)

もし将来、生活に苦しくなったら、
これを売って何かの足しにでもしてくおくれ。By母 
とでも綴っておこう。


シャネルの5番

ちなみに、シャネルの5番は、10年前のハワイ旅行の際に
下の娘が欲しがったもの。

まだ高校生の娘がこれを知っていたことに、多少驚いた記憶があるけれど、この香りは、娘から教わった。


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