【エッセイ】上手宰を読む①
上手宰を読むー「放火魔の実践論」
上手宰という詩人がいる。一九四八年に東京に生まれ、中学一年の頃から詩を書いている。高校生の時には学生新聞や受験雑誌への投稿を繰り返し、寺山修司や大岡信にその力を認められていた。哲学とキリスト教への関心が強く、詩にもその影響が見てとれる。今までに刊行した詩集は8冊。主な受賞歴は評論で詩人会議新人賞、詩集『星の火事』で壺井繁治賞、詩集『しおり紐のしまい方』で三好達治賞。この上手宰の詩はおもしろい。その比喩の巧みさはもちろんだが、その世界観なのだ