意味がない?!
今日も私は配膳の仕事を始めた。原則お見舞い禁止になっているため、通常の自動ドアは施錠されている。回り道をして、職員専用出入り口へ。カードキーをピッとかざすと、ドアの鍵がギュイーンと音をたてて開いた。
配膳車は、モーターで動く。レバーを下げるとウィーンという微かなモーター音がしてのろのろと動き出す。病室の前でレバーを元に戻すと配膳車はゆっくりと止まる。
配膳車の扉を開けて食事の乗ったトレイを取り出す。扉を閉めると、パーンパーンという音がする。以前、急いで開け閉めを繰り返していたら、患者さんに、「うるさいなぁ、誰かバレーボールでもしてるのか?」と言われた事を思い出し、なるべく静かにしようとするが、どうしてもパタンパタンという音は出てしまう。
個室の患者さんの所は、まずコンコンとドアをノックして開け、声をかけてカーテンを開ける。お名前を確認した後、そっとトレイを置くが、この時、注意をしていても、ガチャンと置いてしまうことがある。部屋を出る時も、急いでカーテンを勢いよく閉めると、シャッという鋭い音がして感じが悪いので、なるべく音が出ないようゆっくりめにシャーっとカーテンを閉める。ドアは、半自動的に閉まってしまうので、バタンとならないよう最後まで手を添える。
そうして気をつけていると、靴がキュッキュッと鳴る音まで気になってしまったりする。
今は同じマスクを最低3日は付けなくてはならないので、マスクの中に専用のシートを付けている。素材の違うマスク オン マスクみたいな感じだ。そのシートは見た目はツルツルなのだが、付けていると繊維が毛羽立ってきて、なんだかモゾモゾと顔が痒くなってくる。病棟で顔を触るわけにはいかないので、必死で我慢する。そのうえ、今日は花粉症なのか、ハーックションと大きなくしゃみが何回も出て、鼻水がズルズル出てくる。マスクで隠れてはいるが、ズーズー鼻水をすすって、ずいぶん酷い状態だ。
配り終えると病棟を後にした。帰りは通常の出入り口から出られる。自動ドアに近づくとサッと開く。便利だ。コロナによって今までの快適さを再確認したりする。
次は配膳車の掃除だ。シュッシュッと洗剤を吹き付けた布で扉や内部を拭き、水をギュッと絞った布で2度拭き。
ああ、それにしても今日はお昼を食べ過ぎた。いまだにお腹いっぱいで、動きが鈍い。ふと、手を見ると手首に青アザができている。青と緑と黄色が混ざった気持ち悪い色をしている。どこでぶつけたんだろう?触っても痛くない。血液検査で失敗したみたいな感じになってる。血管切れたりしてないよね?と訳の分からない想像をして、ドキドキしてきた。悪い想像をすると胸がぎゅうっと締め付けられる感じさえする。病気や痛みに滅法弱いヘタレである。
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急になんの意味もなく、面白くも無く、オチもない日常の描写ですが、何か気づいたことありますか?
日本語って本当に擬音語擬態語(オノマトペ)多いですよね?例えば、
ちょうちょが、ひらひら飛んでいった。
ひらひらって要る?
ちょうちょが、きーん とか、ひゅーん とか、びゅーん とか、いろんな飛び方するなら、この時は、「ひらひら」飛んだんだなって説明になるけど、ちょうちょって、ひらひら以外の飛び方するのかな?
ちょうちょが飛んでいった。
で、伝わるんじゃない?どう思います?
でも、擬態語があることで、情景が豊かに描かれる気がするよね。なんだろ、この感覚。
擬音語とかじゃないと思うけど
ああ、お腹いっぱい。 と お腹いっぱい。
あー、美味しかった。 と 美味しかった。
あーあ、失敗しちゃった。 と
失敗しちゃった。
意味は変わるのかな?それとも、全く同じ?人によっても捉え方は違うのかな?
こんな、有っても無くてもよさそうなことばの中にも、何かしらの意味があるような気がする。
その状況においては、「あー」だけで「美味しい」が伝わったり、「あーあ」だけで「失敗しちゃった」が伝わったりするから。
ことばって面白い。
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