チャパゲティの味
チャパゲティって知ってますか?
韓国映画「パラサイト」にも、チャパゲティをアレンジした「チャパグリ」という料理が出てくるそうなので、日本での認知度は上がってるかも。
韓国には、チャジャンミョンという、国民的に大人気な食べ物がある。中国のジャージャー麺が韓国に伝わって、韓国風にアレンジされたものだと思う。
そのチャジャン麺を、日本でいうと日清焼きそばのようなインスタントの袋麺にしたものが、チャパゲティだ。
ヒッポファミリークラブのホームステイ受け入れプログラムで、韓国のヒッポメンバーが家にホームステイした時に作ってくれて、初めて食べたのが、2002年のことだった。
せっかく作ってくれたんだけど、その味は、すっごく微妙。何味か分からない味ってあるんだ!!と衝撃的だった。お隣の国なのに・・・
韓国というと、唐辛子辛いってイメージだけど、辛さは全く無く、ぼんやりした味。甘くも辛くもなく、塩でも醤油でも味噌でもソースでもケチャップでも、何味でもない。何かが微かに焦げたような味???
お世辞にも美味しいとは言えず、でも、頑張って食べた。
作ってくれた韓国のお父さんは、いつも通りにちゃんと作れたようで、美味しそうに食べている。だから、失敗してこの味になったのではなさそうだった。なぜこれが韓国で人気なのか、全くわからなかった。
それが今は大好物になった。人間の味覚って変わるもんだね。
きっかけは、2010年の暮れからお正月にかけて家にホームステイした韓国ヒッポのお父さんメンバーが作ってくれた、チャジャン麺だった。
チャジャンミョン用の味噌を韓国から持ってきてくれて、その味噌を炒めるところから作ってくれた。豚肉・野菜をあらみじん切りにして炒め、水と味噌他の調味料を入れ煮込んでソースを作る。日本には専用の麺は売ってないので、うどんで代用した。一緒にスーパーに行って、ラーメンの麺や、ソフト麺を勧めたが、うどんが良いと言われ、イメージ違うな、大丈夫かなと思ったが、出来上がったチャジャン麺は、本当に美味しかった。
その味が美味しいと思った後、チャパゲティを食べても美味しいと思うようになったのだ。
でも、たぶん原因はそれだけではなさそうだ。
その8年間、マレーシア、カンボジア、タイ、インドネシア、ロシア、ウズベキスタン、中国、フィリピン、韓国、イタリア、ベトナム、ルーマニア、フランス、アメリカ、アルメニア、デンマーク、ネパール、イギリス、インドの人が我が家にホームステイした。
お国の料理を作ってもらうこともあれば、お土産でその国のお菓子を頂くこともあり、日本では食べたことがないような味に出会う機会がたくさんあった。
もともと好き嫌いは無いほうだが、新しい味にチャレンジすることで、色んな味を受け入れることができる舌が育ってきたんじゃないかな。
なんでも美味しく食べられるって幸せだ!!!
でも、それだけじゃない。味の好みも、生活習慣も、常識も違う人達と、短い間でも一緒に生活し、食べて飲んでおしゃべりして、という事で、自分の常識だけでははかれない、色んな価値観を受け入れられるようになった。
ホームステイの受け入れで、様々な人と出会うことで、気づかないうちに、舌も心も一緒に育ったのかなぁ。