yasuka

九州・大分在住写真家・フリーランスフォトグラファー 旅|写真|デジタル・フィルム写真|ひとりごと http://yasukafujishima.com

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最近の記事

大人のモラトリアム

今年35歳になる。 自分の年齢に追いつこうと模索してる自分がとても滑稽で、外側から眺めるとちょっと嫌になる。 この猶予期間、私はどんなものを見つめてどんな写真をとるのだろうか。 もう、一生見返したくない学生時代の詩集のような、そんな恥ずかしくて愛しい写真が今年は撮れる気がする。自分に素直に全てを残していけるといいな。

    • 車窓の月

      揺れながらはしる車。 窓からみえるのは、 グラデーションを泳ぐ月。 忙しかった秋、帰り道の車窓から見える景色にたくさん救われた。

      • 幸せの粒子

        日曜日の大神ファーム。 この日は、友達のウェディングの撮影。木漏れ日が似合う優しいふたりは、太陽の光を見方につけた。 夏の終わりの眩しい空も、この日は柔らかさを含んで、細かい粒子ひとつひとつまで幸せのが宿る。 その全てをとりこぼさないように、私はシャッターを何度も切った。

        • 濁音のオノマトペ

          『どぐどぐ』と聞こえてくる重低音。 不完全な写真の、鈍く、重く、優しい音。

          在処

          光を確かめる。

          夏の終わりに

          溶けていく夏のはじっこに秋が混じる。 風鈴は、鈴虫に変わって、窓を開けると、新しい季節の匂いがした。

          夏の終わりに

          きれいな水のすむところ

          絶え間なく、ゆらゆらと、きらきらと。 自然と人が共鳴して生きていく景色が愛しい。

          きれいな水のすむところ

          『雪国』を読んで

          川端康成の『雪国』を読んだ。 冒頭の汽車の中の描写は、福岡から故郷に向かって、日暮れと夜の境目を走るソニックを思い出す。外と車内の二つの景色が混じり合う車窓の不思議な世界。 写真は鳥取から新山口までスーパーおきに乗った時のもの。不規則と規則の揺れに、身を委ねて窓の外の景色を眺める。トンネルに差し掛かる少し前、自分の姿が突然現れたのが印象的だった。

          『雪国』を読んで

          朱夏

          深緑の頃、空が瞬きを繰り返して、柔らかかった光がやがて鋭くなる。 雨上がり、木々にさす光も、重たい雲も、深くなる緑も、もうすでに自分が夏の中にいることを教えてくれる。何かに焦って頭の中がいっぱいいっぱいになる。それなのに眠たい日が続いて、気がつけばまたベッドの上。燻っている私は、青春が終わって六月を生きている。

          紫陽花の花

          ちょっと最近体調不良が重なって、起きているだけで精一杯なときがある。こんな日はいつも小さな当たり前に助けられる。季節が巡ること、目が覚めること、花が咲くこと。 以前、そんなことすら拒絶した日々もあった。だから、今は絶望ではない小さな谷にいることはなんとなくわかる。 紫陽花の葉にはられた蜘蛛の巣に、雨粒がキラリと光る。これが美しいと思えるだけでもきっと幸せなんだ。

          紫陽花の花

          一棟貸しのお宿『小満』

          豊後大野市に新しくできた一棟貸しのお宿『小満』。この日はイベントが開催されていた。 この空間には森の中で暮らすことの憧れとリアルが交差している。森の音色や優しさに直接触れられるような、自分と離れて自分と向き合えるような不思議な場所。 寝室には窓がたくさん。緑の木々たちがそよそよと揺れていた。

          一棟貸しのお宿『小満』

          年輪

          竹田市直入町にある籾山神社には、悠久の時を刻んだ大きなケヤキの木がある。巨大な自然にただただ圧倒されそうになる。その周りには、キンポウゲ、オドリコソウ、アザミといった小さなお花がポツポツと咲いていた。 キョロキョロして歩いていると、カメラを持った年配の方が、次はユキワリイチゲの時に来るといいよって教えてくれた。

          夢のスタジオ

          昨日は臼杵にある太田浩子さんのオープンスタジオへ。20年越しの夢の場所と聞いて鳥肌がたった。しゃべる度に目がキラキラしていて、少女みたいにまっすぐだった。私もこうなりたい。なろう。

          夢のスタジオ

          思い出の光

          足音だけが響く空間に差し込む光。 思い出すのは、体育館の匂い。 シューズの鳴る高い音。

          思い出の光

          若葉の頃に降る雨

          大粒になった雨がぽつぽつと落ちて木々の若葉を揺らす。 先端にたどり着いた雫は、一つ、二つ、三つと呼吸をおいてアスファルトに溢れ落ちてゆく。 山間の鯉のぼりは、今日も泳がない。

          若葉の頃に降る雨

          車窓

          4月は二つ、自分の中では大きな旅をした。 3、4年前の感覚が蘇ってきて、私は移動も好きなことを思い出した。車窓を眺めてると、壮大なストーリーがはじまる。その街の背景が知りたくなる。写真は大分から岡山までの道のりで出会った風景。桜の花が散り、おだやかな空の下、初夏へと向かう季節が美しかった。