記事に「#ネタバレ」タグがついています
記事の中で映画、ゲーム、漫画などのネタバレが含まれているかもしれません。気になるかたは注意してお読みください。
見出し画像

NDT(ネザーランド・ダンス・シアター)を初めて鑑賞しての感想など


やっぱり長い文章を書くというのは難しいし怖いものだ。それでも書きたいという欲求が生まれたので、久々にnoteの更新をしてみたいと思う。
NDTの初鑑賞について。

NDTと言われても全くわからない人もいると思うので解説しますが、略さずに書くと【ネザーランド・ダンス・シアター】というらしい。これも僕は最近初めて聞きました。昨今、やさぐれ舞踊評論家の乗越たかおさんのダンス私塾というオンラインサロンのような会に入会してみまして、それは、コンテンポラリーダンスの批評を書いてみたいという人たちが集まっている秘密組織?です 笑。
ダンス批評とは、いまだに怖しいと感じていますが、そんな怖しいことにも挑戦していきたいと思いました。ダンス表現もしていきたいという欲望もありますが、齢46にもなりますし、流石にプロのダンサーを目指すのは無理だろうと思って、色々思い悩んでいたところに、乗越さんのダンス私塾というのが始まったので、思い切って入ってみました。
そして、その塾長の乗越さんが、「NDTはオランダに行ってでも見たい!」といった感じの熱い想いを見る前から聞いていまして、これは見に行かなければ!という想いにかられて神奈川公演を見にいきました。
僕もなぜこんなプログラムになっているのかよくわからないのですが、5作品、来日されて上演されていて、一公演3作品しか見れないようになっていて、5作品コンプリートして見ようと思えば群馬県の高崎芸術劇場か名古屋の愛知県芸術劇場に足を運ばなければならないというちょっとハードルの高い状態になっているのです。チケット代も高いですし、移動代もかかりますので、僕は神奈川公演の一回3作品を見たところで残念ながら今回はリタイアです……。
ちょっと稚拙ですが3作品の感想を書いてみたいと思います(怖い)。


神奈川公演の会場のポスター


NDTの演目・配役が書かれてる案内板

まず、「La Ruta」(ラ・ルータ)という作品。
振付・演出がガブリエラ・カリーソという方らしいです。
「ラ・ルータ」とはスペイン語で「道」を意味している作品だそうです。
(まだ書いていなかったですが、僕はギリギリのところでチケットを購入したので、席がかなり舞台から遠く、最近ちょっと視力も低下してきてしまったので、舞台のダンサーがあんまりはっきりと見れなかったという、言い訳?をしておきます。)
ちょっと怖い作品でした。僕はこの度、プログラムを買ってきていないという失態をしてしまったので、詳しいことはわかりませんが、車のクラクションのような音が不気味に響き渡ってくるのが印象的でした。動きがあまりなくて、照明も薄暗く、正直、ダンサーが何をやっているのか分からない……不気味なクラクションの音が響いて通り過ぎていくように思われる車?とにかく不気味だった。ちょっと感情が掻き乱されるような感覚があるものの、舞台上では何も起こってない加減があって、気を抜くと眠気も襲ってくる笑。35分の作品でしたが、見終わった後、ものすごく疲れた感覚がありました。ダンサーの少女はあの道を通ったのか、車に轢かれたのかもしれない、走る車の前に飛び込んだのかもしれない。いろんな想像が頭の中を巡ります。チラシを元に今書いていますが、「ユーモアを散りばめたディストピア的な夢」でNDTにとっても挑戦的な作品なのだそうです。おそらく賛否ある作品なのでしょう。一発目にこういう挑戦的な作品を見せられて、NDT初鑑賞の僕はちょっぴり面食らってしまったのも事実です。

2作目
「I love you, ghosts」
振付・演出が、マルコ・ゲッケという方。
この作品、僕はタイトルを知らずに見たので、後で、タイトルの「I love you, ghosts」というタイトルの演目だと知って、ちょっとばかり泣きそうになりました。静謐な中、群舞が目を見張るほど美しい。これも28分と短い作品。ですが、見終わった後、本当に疲れました。会場の大勢の観客の中の静寂とダンサーのミニマルな動きを凝視することで、疲れるのだと思います。果たして、ダンサーたちは幽霊のような存在だったのでしょうか?もしかしたら、我々が幽霊のように存在させられたのだろうか。全作品が不気味だとすれば、この作品は、実に幻想的に見えました。美しさも感じました。だからこそ、見終わった後、タイトルを確認し、感傷的な気持ちにもなったのかもしれません。何か近しい人の死を連想しました。そして、自らの死をも……。

3作目
「Jakie」(ジャッキー)
振付・演出がシャロン・エイアール&ガイ・べハールの二人。
この作品、すごくたくさんの人たちが踊っているのに、なぜか少人数しか踊っていないように僕には見えました。(目が悪いからかも知れない笑)なんと、つま先立ちでバランスをとりながら、身を寄せ合って、いる姿が暗闇から浮かび上がってくるところから始まっていたというのです。これも幻想的でした。
大勢のダンサーがいるようには見えなかったのはそのせいなのですね。身体的な美しさを感じました。西洋人のダンサーの鍛え抜かれた身体を見慣れていないせいでしょうか?人間の群舞に見えなかった印象がありました。不思議な感覚です。今まで見たことのない不思議なコンテンポラリーダンス作品でした。35分の作品。この作品はあっという間に終わったという時間感覚があります。しかし、3作品とも見終わった後、本当に疲れましたね。

そして、終演。スタンティングオーベーションにはならなかったものの、大勢の観客の拍手が鳴り止まない状態でした。

ネタバレになってしまっていて恐縮ですが、そんな感じで書いてみました。
まだ愛知公演があるので、僕もまた見たいのは山々ですが、これにて失礼いたします。

とにかく胸にギュッと刺さった3作品を見ることができました。
NDTさん、日本の関係者の皆様、本当にありがとうございました!


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?