あの日の海
今日はお題を探してみた。「#みんなでつくる夏アルバム」が目についた。
素敵だと思った。一人ひとりの夏の思い出が繋がるみたいで。
私の夏のアルバムは、まだ夜になると肌寒くなる海だ。
この日は都心から高速バスで片道2時間掛かる海へ行った。
「夕陽を撮りたい」「海に行きたい」
気付いたら明日発のバスを予約していた。
1人で海に行くのは初めてだった。
午後6時太陽が沈む瞬間が最高のロケーションだった。
日没の時間、15分前に到着。
潮の香り、波の音、踏みつけると沈み私の足に纏わり付く砂達が
一気に私の心を奪う。
バスを降りて海辺へ行くと有名所、休日だったのもあり
家族連れ、カップル、友人、私と同じカメラを向けるの人々。
そして、目の前にどこまでも広がる海。
海から浮かび上がる富士山。
海が大好きな私は、心の中で興奮していた。
そして、切なくも感じた。
「いつかこの海を越えて広い世界を見たい」
その思いが私を奮い立たせる。
海を目の前にすると、何もない無力な私。ちっぽけな私。
だけど、だけど
この海を越えたい。越えてやる。
私の心の叫びと綺麗な夕陽が重なっていく。
その時、「あー、時に光は眩しすぎて辛くなるな」と思った。
苦しいな。
そんなことを思いながらカメラを向けていたら
あっという間に暗闇が訪れた。
ついさっきまで賑やかだった海は、静かな海と変わっていった。
そんな、私の夏の始まり。
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