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自分の興味は「組織(organism)にある」ってずっと変わってないんだなって


こんにちは。たにぐち(@tani_maru9)です。

さて、タイトルの通りなんですが、ぼくの大学時代の専門は発生生物学です。色々なモデル生物で研究させてもらったのですが、最終的にはウニ胚の原腸陥入で卒研を終えました。

研究の細かい話は、割愛しますが、生物学に興味を持ったのは中3だったか高1だったかのとき。

学校の生物の授業で、ホルモンを学んだときに、恒常性ってすごくね?と思ったわけです。環境が変わればもとに戻すようなフィードバック機構が備わっていて。

そのあと、発生を学んだときに、もともと1つの細胞だったものが倍々に分裂していくだけなのに、ただの細胞の塊にならないで、1つの「いのち」を作り出すのってすごくない?と思いました。

倍々に分裂していくだけではたしかに細胞の塊にしかならないわけで、分化(つまり、どの器官の細胞になるのか、などが決定されること)を経て、どんどん「からだ」が形作られます。

そして、基本的には(高等生物の場合)一度運命が決定した細胞は、他の細胞に分化することはありません。
それは当然で、例えば、指の細胞が「指の役割飽きたし、明日から目の細胞になるね!」なんて事が起こったら絶対にまずいわけです。急に、個体から細胞が離脱するようなことがあってもいけない、突然足がもげたら怖いもんね。

そして、そんなことは起こらないし、そうならないように制御されている。じゃぁそんなことを実現しているのって何なんだろう?って言うことに興味を持ち、生物学専攻を決める…高1…のぼく…


そして、まぁ大学時代に色々学んだわけですが、一定の時期に一定の化学物質を通じて細胞間でコミュニケーションを取ることでどんどん形を作っていくわけですね(ざっくり)。


そして、ぼくの興味が変わってないなっていうのは、この「本来はばらばらになってもおかしくないようなものが集まって、ちゃんと役割を果たして1つのものとして振る舞う、ことってどうやって実現されるんだろう?」
ということが興味があるなっていう。


要するに、人間が集まってできる組織もきっと何かあるんじゃないかなって思うんですよ。

本来バラバラの方向性に向かったっておかしくない人間同士が集まってなにか1つのことする、って多分本当はすごいことで、これを実現できる、要因って何なんだろうな、ということに、今とても興味があります。


これについて、今、ぼくが考えているのでは3つあって。

1つ目は、「強いビジョン・目標・進みたい方向性」が共有されていること、で結局自分たちが何者なのかってこと。
これはまぁ、発生に喩えるなら、「遺伝子」みたいなことかもしれないけど、要は「設計図」がちゃんとあること。

2つ目は、役割分担が明確なこと。誰がどこまで何をするか。っていうこと。
これは「細胞分化」って感じ。誰がなにか。
ただ、発生と違うのは、一度決定しても、そこに可塑性があるってのは人間の組織は違うところ。

3つ目は、コミュニケーションと指揮系統がきちんと行われること。
要は、隣り合う細胞同士のコミュニケーション(物質のやり取り)と、脳神経のような、中枢神経による直接のコミュニケーション。ホルモンのような少し遠隔の伝達。


それから(3つって言ったのにもう1つあった)、
「自己と他者の境界を明確にできること」かな。

自分ってどこまでが自分?っていうのはまたnote1本かけそうなのでそれはまた別のお話。(リュック背負ったときって、リュックまで自分の意識がいくんですよ。自分ってどこまでなんだろうね)


結構、われわれ生き物の「いのち」がどうやって維持されてるのかってことを考えてみると、人間の「組織」も生き物なんだろうなぁと。

英語にしたら、どっちも Organism なので、やっぱりそういうことだと思うことにする。勝手に。



長くなりそうなのでこのへんで。

ではでは。

たにぐち



最後まで読んでいただきありがとうございます。