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【ゲーム感想】令和にプレイした『ゼルダの伝説 時のオカリナ』は、世間の評価も納得の、色褪せない名作だった。


【概要】


ゼルダシリーズ初の3Dアクションにして、『スーパーマリオ64』と並んで後の3Dゲームに多大な影響を与えた、3Dアクション黎明期の歴史的名作。
自分は過去にVC等で、本作以前のゼルダシリーズを全てプレイ済み。

【評価点】


●64の性能をフル活用した、広大な3Dマップ


●豊富な収集要素

・シリーズ恒例の『ハートのかけら』や『アイテム所持上限アップ』に加えて、『黄金のスタルチュラ』も加わり、やり込み要素が増えた。

●次々に新しい仕掛けが登場し、飽きの来ないダンジョン

・各ダンジョンにはほぼ毎回新たな装備が隠されており、それを使った新たな仕掛けが登場する
 そのためどのダンジョンも新鮮な気持ちでプレイすることができ、中だるみを感じにくい。

●音楽がとても良い

・ただ曲が良いというだけでなく、オカリナによって曲とゲームシステムが連動するため、物語への没入感が高まってとても楽しい。

●過去のシリーズから桁違いに強化されたストーリー

・それまでのシリーズはハードの制約上テキストベースでストーリーが進んでいたのに対し、本作ではリアルタイムレンダリングムービーによる視覚的な演出が効果的に使われており、冒険への没入感が高まった
・特にマスターソードを引き抜いて、大人時代へと進んだ時のワクワク感が良い。
・時間を利用した仕掛けがストーリーに上手く組み込まれており、時の流れが感じられてとても良い。

●魅力的なキャラクター達

・「リン冒」まではリンク、ゼルダ、ガノンくらいしかキャラクターが登場しなかったが、本作では「夢島」のマリンのように重要なサブキャラクターが多数登場し、様々な種族が共生する独特で魅力的な世界観とストーリーを作り出している。
 特に、マロン、ルト姫、サリア、ナボールなど、魅力的な美少女キャラがかなり多い。
 中でもルト姫(魚人)とシーク(男装女子)は一部のプレイヤーの性癖にかなり刺さりそう。

●ユーザビリティの向上

・ナビィが頻繁に次行くべき場所を示してくれるため、それまでのシリーズで多かった「次行くべき場所が分からない」という現象が起きにくい。

●全体的にエフェクトや演出がとにかくかっこいい。

・台座に刺さったマスターソードに、神殿の窓から差し込んだ光が当たっている様子はとても画になっていて、何度見ても子供心をくすぐられる。
・ラストバトルにおける、ガノンドロフの電撃エフェクトは必見。

【賛否両論点】

●カメラワークがやや悪い

・右スティックという概念の無い時代の作品であるため仕方ないことだが、現代の基準だとカメラ操作がやや面倒
・とはいえ時代を考えればかなりマシな方であり、Z注目のお陰で慣れればそこまで気にならなくなる

●フックショットの入手方法が分かりにくい

・ストーリーで必須のアイテムなのに、ダンペイの墓を動かした先で行われるミニゲーム「ダンペイレース」の景品であるため、入手方法に気付きにくい。
・シークやナビィには「カカリコ村に行け」と言われるのに、実際にフックショットが手に入るのはその隣にある墓地、というのも分かりづらい。

●移動にやや難がある

・大人時代でエポナやオカリナワープが使えるようになると少しマシになるが、それらが使えない子供時代・時の神殿以前は、基本的にひたすらハイラル平原を歩くしか無い
・本作はサブイベントが多く、それをこなすためにあちこち移動することが多いため、やや面倒

●オートジャンプに少し癖があり、慣れるまで感覚を掴みにくい

・狭い足場では、飛びすぎて落ちてしまうこともある

【問題点】

●水の神殿が複雑すぎて躓きやすい

・3種類の水の高さとそれに対応する多数の道があり、それぞれ別の場所にある石版で水の高さを変えて進む必要があるため、とても迷いやすい
・複雑さで言えば、ラスダンや隠しダンジョンより厄介。
・この問題点は開発陣も自覚していたようで、後に『社長が訊く』で語っている。

●装備品の切り替えがメニューからしか行えず、面倒

・特に3種類あるブーツは、状況に応じて適切なものに切り替える必要があり、いちいちメニューを開いてブーツを選ぶ必要がある。
・ただでさえ複雑な水の神殿だが、ヘビーブーツの付け外しが何度も必要になるため、余計にテンポが悪くて面倒臭い。

●大人時代で、ゾーラの里へ行けるショートカットが無い

・子供時代ならオカリナでハイラル湖へ行き、水中からワープで行けるが、大人時代ではこの方法が使えず、行きづらい
・大人時代にゾーラの里へ行くための方法は以下の2つだが、どちらもやや手間がかかり、行きづらい。
 ①適当な場所からハイラル平原へ出る→エポナでハイラル平原を走りゾーラ川へ→マメの葉でゾーラ川を登る→滝でオカリナ
 ②オカリナで森の聖域へ→森の聖域を抜ける→迷いの森の水からワープ→滝でオカリナ

●ブーメランと弓に照準が無い

・特にブーメランは、狙うべき方向がリンクの頭で隠れてしまうため、当てるのにややコツが要る
・フックショットには照準があるのに、何故こっちは無いのか?

●中盤以降、ルピーの価値が無さすぎる

・マメくらいしかまともな使い道が無い。マメを全て買うと、無用の長物と化す。
・攻略とは直接関係の無い、ルピーの入った宝箱がフィールドやダンジョンの各地に隠されているのだが、ルピーの使い道が無さすぎてせっかく宝箱を見つけても全然嬉しくなく、探索の楽しみも減少してしまっている。

【項目別評価】

ストーリー ☆5
演出 ☆5+
キャラ ☆5+
マップ ☆5+

探索 ☆5
バトル ☆3
音楽 ☆5
グラフィック ☆4
UI ☆4
ロード ☆5
テンポ ☆4
操作性 ☆3

※各5点満点、「☆5+」は特に良かった項目。

【総評】


これほどの作品を1998年に完成させたというのは衝撃的であり、ゲーム史に残る名作扱いなのも納得
3Dゲームの基礎としての衝撃は勿論、現代の1ゲームとして見てもとても出来が良く、初見でも充分に楽しむことができた。
NSO+に加入しているなら是非ともプレイしてほしい、現代でも通用する傑作。


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