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【行政法の困ったを解決!?】『事例研究行政法[第4版]』(日本評論社)を活用する方法

改定された『事例研究行政法』。初版から多くの受験生を助けてきた書籍だと思います(私も助けられました。)。

この教材の使い方のポイントを簡単に示しておきます。いろいろな利用方法が考えられますので、あくまでも一案ということで読んでいただけますと幸いです。

ミニ講義から読む

この教材には、「ミニ講義」が収録されています。問題を解く前に、この「ミニ講義」から読んでみましょう。基礎講義や教科書で確認した事柄について、答案を書くに際して注意すべき点がまとめられています。

「基礎知識と答案の架橋」というイメージでしょうか。「アウトプット」が重要なのは今更指摘する必要はないかと思いますが、いきなり綺麗な答案を書けるわけではありません。インプットとアウトプットの接続部分を意識することが重要です。

このミニ講義は、まさに、インプットとアウトプットを接続してくれる講義といえます。ミニ講義は以下の項目が用意されています。

1 処分性要件の役割とその判断の方法

2 取消訴訟の原告適格

3 行政裁量と司法審査の方法

4 規制法律の読み方

5 給付法律の読み方[第4版で追加された]

1〜3は、第1部に掲載されているため、多くの方が目に触れることになると思います。一方、4と5については、第2部に収録されているため、意識的に読まないと、目に触れないままとなってしまう可能性があります。

しかし、4と5の内容は、行政法規の大まかな枠組みに関する解説がなされているので、すぐにでも読むべき内容といえます。

もちろん、1〜3も、すぐに役立つ内容です。問題演習に入る前に、「ミニ講義を1日1つずつ読むという期間」を作ってもよいでしょう

問題を検討する

次に、問題を検討していきましょう。第1部については、概ね90分程度を答案作成の目安とされるといいと思います。

実際に答案を作成してみましょう。

行政法の演習は、「初見の状態でどこまで書けるのか」を大切にしてください。今ある力でどこまで書けるのかをチェックするようにしましょう。

一度、解説を読んでしまうと、二度と、「初見の状態での演習」ができなくなります。行政法の特徴は、「初見の法律をいかに読み解くか」が問われるので、初見の演習を重視しましょう。

コラムをチェック

答案を作成した後は、当該問題の解説内にある「コラム」をチェックしてみてください。受験生が間違いやすいポイントが開設されています。本文の前にコラムをチェックすることで、他の受験生が間違いやすいとされているポイントで躓いていないかをチェックすることができます。

解説を読む

コラムのチェックが終わった後は、解説をじっくり読んでいくようにしましょう。難しい話もあると思いますので、解説→自分のインプット教材(予備校の基礎講義テキスト、基本書など)に戻るようにしましょう。

必要に応じて、今後出るであろう予備校の解説講義などを利用するのも有用だと思います。

まとめ

問題と解説が役立つことに加え、ミニ講義とコラムで確実なレベルアップを図ることができる教材です。

なお、この教材のレベルが高いと感じる方は、土田先生の『基礎演習行政法』を間に挟むのもありです(可処分時間にもよりますが。)。

OLSでは、9月から、この教材を利用した基礎知識整理講義を予定しています(担当は、私、安田貴行です。)。

ご興味のある方は、お気軽にお問い合わせください。

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