「ハンコのことがわからない……」/実印・認印・印章・印鑑・印鑑証明証に関するメモ書き
なんとなく理解しているつもりでも説明することができない……。
「ハンコ」に関する知識整理をお手伝いする記事です。正確に整理するようにしておきましょう。
実印とは、市町村長にあらかじめ届け出て印鑑証明書の交付を受けられるようにしている印章のことをいいます。登録できる印章は1人1個です。なお、実印は差押えが禁止されています(民事執行法131条7号、国税徴収法75条1 項6号)。
印章とは、物体上に押捺して人の同一性を証明するために使用される象形のことをいいます。日常の場面で「印鑑を持ってきてください」というときの印鑑は、この「印章」のことを指していることになります。
認印とは、実印以外の個人の印章をいいます。認印には印鑑証明書が交付されないので、重要な取引には用いられないことも多いです。ただし、押印された場合の法律上の取り扱いは実印と同じです。
印鑑とは、印章を紙等に押した後の印影のことをいいます。特に、法令においては、官庁に印影対照用としてあらかじめ届け出ておく印影をいいます。
なお、先ほども記載しましたが、日常のやり取りの中で、「印鑑を持ってきてください」というときの「印鑑」は俗に用いられている言い方になります。このようなやり取りでは、本来は「印章」というべきです。実務に出た後、依頼者に説明する場合は「印鑑を持ってきてください」という言い方で問題ありませんが、答案でこのように書くと間違いとなりますので注意しましょう。
印鑑証明書とは、印影があらかじめ届け出ている印鑑と同一であることを証明する官庁・公署の書面のことをいいます。
なお、印鑑登録に関するルールは、各基礎自治体の条例で定められています。
https://krv800.legal-square.com/HAS-Shohin/jsp/SVDocumentView
ひとまず用語集的にまとめておきました。次回以降、図を用いた解説を行った上で、穴埋めトレーニングも公開予定です。基礎的な概念を正確に押さえるようにしましょう。