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プラスチックをアップサイクルした時の線と色の揺らぎとマリメッコと障害者アートと1/fゆらぎ

カエルデザイン with REHAS として海洋プラスチックを一緒にアクセサリーにアップサイクルしているリハビリ型就労スペース「リハス」(株式会社クリエイターズ)の仲間たちが、「金沢もよう」という金沢、石川の風土、歴史、文化などをモチーフにしたデザインの制作に取り組み始めた。

お手本としたのは、北欧デザインを代表するブランド、マリメッコのデザイン。

リハスの利用者さんのほとんどは、専門にデザインを学んで来たわけではなく、多くがリハスに来てからイラストレーターやフォトショップの使い方を学んで、名刺やチラシやポスターなど、様々なデザインの作業をしている。

で、この「金沢もよう」を始めた頃(まだほんの数週間前)は、当然のようにみんなイラストレーターでデザイン案を作り始めた。

お手本はマリメッコ。

まずは真似ることから始めようと提案した。
個人的にマリメッコが大好きであったし、マリメッコはどうして世界で愛され続けるのか、その秘密は真似る作業の中からきっと見えてくると思ったから。

で、
金沢らしいモチーフ、加賀野菜、梅鉢、金沢駅の鼓門、兼六園の琴柱灯篭、雪吊り、起き上がりこぼし等々、「様々な金沢」をモチーフとしてパソコンで、イラストレーターで模様を描き始めた。

でも、どうもしっくりこない。マリメッコ風ではある。でも心にひっかかるものがない。心に刺さらない、響かない。

なんと言うか、温度や湿度が感じられない。
パソコンでいきなり描いているから線も色もかっちりし過ぎているからだろうと思った。

で、マリメッコが愛される秘密をグーグル先生に聞いたら教えてくれたのが、次のページ。

Marimekko デザインの世界

カラフルでポップなデザインを打ち出すブランドはほかにもありますが、マリメッコのように、有機的な歪んだデザインはなかなかありません。マリメッコの根っこは、計算式では出ない有機的な揺れです。
デザインはパソコンではなく、スケッチ、水彩画、切り絵などフリーハンドで始まります。実際に採取してきた葉っぱや木の枝を紙に貼って、コラージュするデザイナーもいます。
このアナログ感が、シルクスクリーンなどでプリントされ製品となったあとも、線や色彩の揺れとなって匂いを残しつづけます。

やはりそうなんだ。
手描きによる歪み、揺らぎが匂いを発する。

「1/f(えふぶんのいち)ゆらぎ」という言葉を聞いたことがある人もいると思います。自然界にある、一定ではない不安定にゆらぐ音のこと。それを聞くことによって人は癒される。理由は、生体のリズムが「1/fゆらぎ」間隔だから。波の音、川のせせらぎ、鳥のさえずり、虫の声、人が奏でる楽器の音。

そして、この1/fゆらぎはどうやら、音だけでなく視覚でも同じような効果を持つらしい。

手描きによる揺らぎ、不安定感は人に癒やしを与えている可能性が高い。

日本デザイン学会研究発表大会概要集 「手描きによる線のゆらぎがストライプパターンの印象評価に与える影響」 によると、

人工的な柄(パターン)よりも、手描きのパターンに対しての方が「warm: あたたかい」「free: 自由な」「jolly: 陽気な」という肯定的な印象が強かったよう。

やっぱりそうなんです。
鍵は手描きによる揺らぎにある!

で、思ったのです。
海洋プラスチックをアップサイクルしているカエルデザインのアクセサリー。
元となるプラスチックは赤、青、緑などのポップな原色がほとんど。

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これをブレンドしてアップサイクルすると・・・

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どうですか!!!

色彩は北欧デザインのようにカラフルだけど、線も色も揺らぎまくり!!!

この不安定で一つとして同じにならない不確定さ、揺らぎ、滲みがひょっとしたらカエルデザインのモノとしての魅力の一つなのかも知れないと思うのです。

でね、今、アップサイクルに取り組んでいる新しい素材によるアクセサリー

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これもポップで揺らいでいるでしょ。もうねえ、揺らぎっぱなし!

でね、これを見て考えていた時に頭の中を過ぎったのが、
金沢の輪島家の、かんたくんとかえでちゃんの作品たち。
どうです!めちゃカラフルで、揺らいでいるでしょ。で、なんとなくマリメッコ、北欧デザインにも通じるテイスト。

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かんたくんとかえでちゃんのお母さん、輪島満貴子さんに了解をいただいて紹介させていただきました。

障害者アートという言葉には抵抗がある人も多いと思います。
障害者でなくて、障がい者と書くべきだという主張もあり、わからなくもないですが、それも何だか違和感があります。
が、ここではそのことを書いてもしょうがないのですが、

いわゆる障害者アート、アウトサイダー・アート、もしくはアール・ブリュットの多くは大胆な色使いと線の揺らぎに特徴があるのではないかとふと気がついたのです。

もちろん、そうでない障害者アートもたくさんあります。黒い線、色だけで表現している人もいますし。

ただ、美術を専門的に学んで描く、ある意味洗練された線や色彩ではなく、ただ表現したいという思いが生み出す無作為の線や色、、、、。

それって自然が描く揺らぎそのものではないのかなと。

ま、この辺りはアートの専門家ではない僕がこれ以上どうこう書けることではないのですけど、

とにかく、大事なのは「揺らぎ」。

すべての鍵は「揺らぎ」だという発見。
きっとアートをやっている人はとっくの昔に知っていることなんでしょうけれど、自分でそこに思い至るというのは嬉しいのです。

カエルデザイン クリエイティブ・ディレクター 高柳 豊

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