小説VS漫画 リレー作品:第8話 癌口(小説)
どことなくペンギンに似ているようにも見えるが、ペンギンとは程遠いともいえる。ペンギンはあんなに醜悪ではない。頼りなく見える細長い足を素早く器用に動かして、上半身をグネグネと揺らしながら醜悪ペンギンは逃げていく。体が揺れるたびにクチバシがかっぱかっぱと開き、その隙間から唾液が絡まったホイッスルのような濁った甲高い鳴き声を発している。その様子は壊れた幼児用の玩具のようであり、あやしい宗教の人形のようでもある。
デカい肉の山が見えた。文字通り山ほどの大きさの肉塊だ。中腹から止め