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【のりたま物語】 のりたま、かけたら 六ふり目

この物語は、主人公の のりたまくん の日常を描いているフィクションです。


 話しは、少し前の玄米くんの様子に戻る…

玄米「よーし。今日もつぶやくぞ。と。」

 おや?
 どうやら、玄米くんはSNSをやっているようだ。
 何を呟くのだろうか。

玄米「今日も、『丸美屋ののりたま』を白いごはんにかけて食べました。美味しすぎて、食べたらお腹が空きました。なんでやねん。」

玄米「送信!と。」

 えー!
 えええー!

玄米「全然、フォロワー増えんなー。」

 だろうね!
 まぁ、気持ちは分かるぞ!

 ピコン!

玄米「ん?ダイレクトメッセージだ!珍し!明日は雪だな!」

 自信持てや!

玄米「なになに?…
 のりたまさん!
 いつも『丸美屋ののりたま』の呟き楽しみにしてます!
 今日、松戸駅で『丸美屋ののりたま』のことを熱弁していらっしゃいましたね!
 私は、恥ずかしくて声をかけられませんでしたが、『丸美屋ののりたま』の宣伝をこれからも頑張ってください。
 …な、なんだとぉ!?」

 おやおや?あれ?ちょっと待って!
 玄米くんのSNSの名前は「のりたま」なの!?

玄米「な、なんだと?『のりたま』は僕だぞ!コイツは何者だー!さては僕のパクリか!?パクリなのか!?許せん!」

 うわー!
 玄米くんがプンプンだ!
 あっちの『のりたま』は、SNSなんかまともにやってないオジさんですよ!
 安心してー!!!

玄米「おのれー!!!」

 そ、そんなにー!!?
 凄いな!SNSのチカラは!

 ピッポッパッ
 …今どき、こんな音が鳴る電話があるのかは分からないが、玄米くんは電話をかけた。

玄米「あ、おにぎりくん?ちょっと手伝って欲しい事があるんだけどー。」

 どんな名前の友達だ!

おにぎり「モグモグ。え?なに?いきなり。モグモグ。僕、忙しいから、モグモグ。タダではやらないよ。モグモグ。」

玄米「…分かったよ。コンビニのおにぎりを一個、奢るから。」

おにぎり「なのをやれば良いの?」

 はやっ。
 安っ。

玄米「まず、今度、僕の後をこっそりと、つけて来てほしいんだ。」

おにぎり「う、うん。」

玄米「それで、その後、僕が知らないおじさんについて家まで行くから、そこをそのままこっそりとつけてきてほしいんだよ。」

おにぎり「…何それ?大丈夫なの?」

玄米「大丈夫。大丈夫。そのおじさん、アホだから。」

おにぎり「それなら良かった。」

 何が!?
 良い子は、知らないオジさんについて行ったりしたらダメだぞ!

玄米「着いて行って部屋に入ったら窓を開けるから、そしたら警察に電話して、そこの部屋に僕が誘拐されてる!って電話をかけてほしいんだよ。」

おにぎり「えー!うーん。結構大変だね!と言うか、警察になんか電話かけた事ないよ!何か嫌だなぁ…。」

玄米「コンビニおにぎり2個!」

おにぎり「…分かったよ。やるよ。」

 はやっ。
 安っ。


 計画の日

 おにぎり「よし。変装はこんなもんでいいかな。」

 おにぎりくんは、サングラスかけて帽子を被った。

おにぎり「よーし!やるぞー!」

 おにぎりくんは、やる気満々だ。
 公園に向かう、おにぎりくん。

おにぎり「お?いたいた。」

 おにぎりくんは、公園でベンチに座っている玄米くんを見つけた。

おにぎり「おーい。玄米くーん。」

玄米「ちょ、ちょっと!呼んじゃダメでしょ!偽のりたまに見られたらどうすんの!?」

おにぎり「あぁ、そっか!そっか!ごめんね!」

玄米「まぁ、今は居ないから大丈夫だったけど。気をつけてねー!って言うか、その変装ダサっ!」

おにぎり「うっせ!腹立つな!あ、あの人、そうじゃない?おーい!こっち!こっち!」

玄米「ばか!話を聞いてなかったんか!おにぎりくんは早く隠れて!」

おにぎり「あ!あぁ!そうだった!バイバーイ!」

玄米「おにぎり!おまえ、ずっと声デカいのなんでなの!?いい加減にせぇよ!」

おにぎり「ここの木の影に隠れまーす!」

玄米「バラすな!静かにせぇ!!!」

 のりたまくんは、公園の中を歩いて来た。
 玄米くんは泣きマネを始めた…。

 こうして、計画通りにのりたまくんの家に到着した玄米くんは、のりたまくんの家の窓を開けて合図を出し、のりたまくんを警察に逮捕させる事に成功したのだった。


エンディングテーマ

KeepWalking
のりたま
作詞 のりたま
作曲 のりたま

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