ドンキーコート
The CLASIKいよいよ完納となります。
最後を締めくくるに相応しい、同ブランドらしい巧みなアウターが入荷です。
一目でご理解いただけるかと思いますが、以前入荷のあった「FLIGHT JACKET」と共生地のカバーオールの様な羽織です。
The CLASIKの作るアウターの完成度、クラシックなのに落ち着きがあるその安心感、短丈にはない要素ばかりのフライトジャケットでしたが、前作とは別ベクトルで、シックな存在感溢れる1着となっています。
イギリスの湾岸地域や炭鉱で働く労働者向けに作られたワークジャケットをモデルとしています。長く大きな襟がロバの耳を連想させることからドンキージャケットとも呼ばれているジャケットがありますが、そんな武骨さを一切感じさせない溢れる高貴な雰囲気。
やはりワークテイストの落とし込み方が良い意味でドメらしくなく、良い意味でラグジュアリーすぎることもなく、本当にクラシックらしい仕上がりです。
短丈フライトジャケット同様に、クラシカルなツイードヘリンボーン素材を贅沢に使用した作品。袖裏にはキュプラ100の裏地、生地端にパイピング仕立て、芯地の取り方に綺麗な流れるようなステッチワーク。
抜かりない細かなポイント達をうまく馴染ませた、同ブランドらしい上品で美しいバランス。非常に推しです。
同様にフロントに大ぶりなホーンボタン。これが存在感をかなり強めているストロングポイント。更にはコーデュロイによるロバ耳襟の切り替えが、ワークさながらのカジュアルさを払拭し、上品で大人びた品のあるデザインへ昇華しています。
相も変わらず何でも中に着こめるサイズ感。袖裏地のみで厚みも無く、ライトにタフに、毎日のように着こなしていただけます。うちのカメラマンも最近は「スパニッシュおじいちゃんメガネ」になりたいみたいで、いつも以上に気持ちも乗って良く似合っている気がします。インナーに似たようなグレーのヘリンボーンのジャケットを入れてもらっていますが、全然余裕にライトに着れています。テーラードの上から着たくなりますね。
そしてメルトン。原型ワークウェアに通ずるものを感じながらも、毛足は短くライトな作りで、何より奥深い”BLACK KHAKI”がナイスカラー。herringboneよりも洗練された雰囲気を持ち合わせ、よりミニマムなスタイリングを際立たせてくれます。
ブルゾンの時にも書いたように、言っても写真じゃ黒に見えてしまいますが、それが良い。実物を見てもらった時のギャップは良い意味で僅かで、ただその僅かなカーキが洒落た大人なニュアンスを作り上げてくれています。
テーラードの上から、とも言いましたが、今年もまたタートルネックが熱い。気が付けば僕自身も手持ちのタートルネックは10枚をゆうに超えて、カラバリ豊富なワードローブになっています。首周りの天幅にはゆとりもあり、襟付きやテーラードも合わせやすいですが、タートルネックの乗りが綺麗。見え面がとても良いのです。Yonetomiも良いし、もっとつるっとしたSASAKI SATORUや、それこそCLASIK名作の綿タートルなんて抜群でしょう。それこそ”BLACK KHAKI”を中に入れて。必要なピースは早めにそれた方が良いですよ。潔いアイテムはいつだって動きが早いから。
The CLASIKというブランドは本当に素敵なブランド様です。
ブランドにしか生めないムードと言うか、雰囲気がしっかりアイテムから伝わってくる。更にはそれを買って着てくれている方々にもしっかり伝染して、本気のファンを作り上げられる。そんなパワーを持ったブランド様はそう多く存在しないですよ。
というブランド的観点を抜きにしても、正直言葉が要らないくらい、素晴らしい羽織です。是非店頭で。
イシカワ