見出し画像

野田佳彦氏と虚言 

野田佳彦(よしひこ)氏が立憲民主党の代表選挙に立候補した。
よくもまあ。
彼にはここまでの歴史がある。世の中の人々が忘れたと思ったら大間違い。
特に上の動画は彼が総理大臣であった時期に出回ったもの。今一度シェアするべき動画と思う。

以下は2016年の2月に別のブログに投稿した記事に若干の追加を加えたものである。この時は「トリクルアップ」などと言って出てきたわけだが、やったことと言っていることの矛盾が大きすぎ、呆れ返るしかなかった。以下の稿はその時点での考えを書いたものだが、今も同じ考えであるので、このタイミングでNOTEに再投稿しておく。

とにかくこの人の罪は大きい。今回も消費税を下げるとは言わない。立憲の候補は過去にこの野田氏に同調してしまい消費税に関しては下げるという選択肢を示せないでいる。当時何故総スカンを食ったのか理解していない様子である。

お断りしておくが私は自民だ維新だをサポートするためにこの記事をポストしたわけではない。野田氏だけは復活させてはいけないという一点でリポストするものであることをご理解いただいた上でお読みいただければと思う。

では以下。

久しぶりにTVで野田前首相の顔を見た。
民主党は今更なぜ野田氏に質問の機会を与えたのであろうか?
「言行不一致」を通り越して「虚言」を弄する人物。これが残念ながら野田氏に対する大方の有権者の評価ではないだろうか。
「書いてあることは命がけでやる、書いてないことはやらないんです、これがルールです。」政党政治のよりどころとなるはずであったマニフェストを破壊した野田氏の裏切りを我々は鮮明に記憶している。
https://www.youtube.com/watch?v=y-oG4PEPeGo

今回もまるで健忘症にでもなったように野田氏は言い放った。
曰く、「トリクルダウンではなくトリクルアップが必要。そこが私たちと安倍さんの違いだ。」
では何故野田氏は選挙公約にもなかった「消費税増税」を強引に押し進めたのか?「トリクルアップ」派ならば「累進課税の強化」に邁進すべきではなかったか?

ご存知のように、逆進性の高い「消費増税」はそもそも自民党の政策であり、そのオルタナティブとしての民主党の政策は「累進課税の強化」であるべきであった。そうでなければ、2大政党制のシステムの中で民主党は納税者の選択肢とならない。これは非常にシンプルな話である。「トリクルアップ」の政策が「消費増税」では論理矛盾である。

当時、「消費増税しない」と公約し、民主党は政権についた。ところが彼らは何故か「消費増税」をすると言い出す。あえて公約違反を犯す「怪」。これこそが現在の政治不信を招いた根源の問題であり、民主党が虚言政党として信頼を取り戻す事が出来ないでいる原因である。野田氏はその主犯だ。

その野田氏が「トリクルアップ」などと言う。自己矛盾も甚だしいが、この人の原理・原則のなさは今に始まったことではない。日本ではこのようなやからが有権者の意志とは関係なく時に総理大臣になるのである。

野田氏が首相になった当時の経緯を思い出してみよう。
そもそも、民主党が政権についた時点で彼が首相候補だと考える有権者はほぼゼロだった。鳩山氏、菅氏、小沢氏あたりが首相になることは有権者の選択の内に含まれていたと思う。岡田氏も含まれていたかもしれない。しかし、野田氏は含まれようがない知名度だった。

最初の野田氏のポジションは鳩山政権での財務副大臣である。それが菅政権で財務大臣となった。初入閣での財務相は異例だ。なにがあったのか?
その後、野田氏は財務省と共に、民主党を「消費増税」路線に引き込み、選挙で否定した「消費増税」に突き進む。もちろん一人でそうしたわけではないだろうが、野田氏がその主犯であることは明らかである。もっと言うと、彼は財務大臣になりたいために、そして総理大臣の座が欲しいがために財務省の「ポチ」となったのではないか?(「ポチ」という表現は今回の質問で野田氏が使ったものである。)

野田氏の業は大変深い。この「裏切り」は政権交代・2大政党制への有権者の期待を粉々に踏みにじった。自民党と異なる政策を打ち出して政権につく。ついたら自民党と同じ政策になり、増税を決める。許されざる背信である。その主犯が野田氏だ。

さらに野田氏は自らの延命のために、「決める政治」などと言い、自民党と既存官僚勢力の要望を全てのみ、(マイナンバーも野田政権の閣議決定が端緒となっている)果ては大連立を画策した。権力に汲々とするあまり、大政翼賛会を志向したのである。

普通に考えると野田氏は大変危険なファシストであることになるが、そのような器ではない。どちらかというと「悪の凡庸さ」を体現する程度の「原則のない人物」が欲にかられて官僚に操られただけなのであろう。

野田氏が政権で画策したことの一つに解釈改憲による9条の骨抜きがある。「ポチ」諮問会議を主催し、その提言によって9条を骨抜きにする。これは今の安倍政権になって始まったことではなく、野田氏が画策した手法である、安倍氏はその方法を踏襲したのである。

当時の朝日新聞によると、
「野田政権の国家戦略会議フロンティア分科会(座長・大西隆東大教授)は6日、野田佳彦首相に2050年に向けた日本の将来像を提言する報告書を提出した。憲法解釈を変えて集団的自衛権の行使を認めるよう求めるなど、首相の持論に沿った内容となった。」

このような過去にもかかわらず、自民党の進めた解釈改憲に関して、昨年、自身のWEBで
「本来ならば、国民の過半数の賛成を得て憲法改正するのが筋ですが、憲法の解釈を変えて集団的自衛権の行使を認めようとしています。」とのたまっている。
https://www.nodayoshi.gr.jp/leaflet/detail/124.html (*この原稿は現在消去したようです)
このように原則なく嘘を塗り重ねる人間が未だに選挙で勝ち続けている。大変不可解である。自民党も自党にこれほど貢献のあった人物に失礼はできないのだろう。

さて、今回の野田氏の質問は「トリクルアップ」がその要点であったわけではない。彼のポイントは自分と安倍氏は「解散の代わりに一票の格差是正をする」約束をしたではないか?それを実現しない事は国民に嘘をついていることになるのではないか?ということだった。

もちろん格差是正は喫緊の問題であり、それなしでの選挙は違憲である。このことを安倍氏が3年間放置した事実を指摘することで野田氏が得点を稼げると読んだことは間違ではない。

しかし、そもそも野田氏が設定したという「解散のバーターとして、一票の格差是正をする」という取引条件はどんな経緯で持ち出されたのか、ここで確認しておく必要がある。

消費税論議開始時のそもそもの野田氏のバーター設定は「消費税増税と一票の格差是正」であった。消費増税で負担を強いるのだから、こちらも身を切る必要がある。という理屈であったと記憶する。おかしな交換条件である。

当時有権者が望んでいたのはあくまで消費増税をしないことであり、対して一票の格差是正は当然進めるべき義務である。バーターにさえなっていないのだが、これを目眩しに論議が進んでいった。しかし、これがこう着状態に陥り肝心の消費増税論議が進まなくなる。

12年の2月29日の谷垣総裁と野田氏の党首討論に先立って、消費税法案の成立をもって話し合い解散をするというシナリオを財務省が描き、二人を引き合わせていたとするニュースが存在する。


この後は「消費税法案の成立と解散」がバーター条件となり、7月2日消費増税に反対する小沢氏の一派50人が民主党を離党、そして12年8月8日に消費税法案成立とバーターで「近いうちに信を問う」という展開になる。

であるから実質ここで財務省は目的を果たし、民主党も野田氏も終わり、ついでに元財務大臣であり不人気な消費増税法案の推進役となった谷垣氏も用無しとなり、安倍氏の登場となる。

自党を割ってまで本来は自民党の政策である消費増税にこだわり、自爆解散に突き進んだ野田氏。これで民主党は再起不能となり、日本に根付くことが望まれた、政権交代が定期的に起こる二大政党制はつぶれた。

冒頭の「解散の代わりに一票の格差是正をする」約束というのはこの文脈の最後に設定された話であって、なにもそのために野田氏が解散したわけではない。「一票の格差是正」のために解散したなどすり替えであって、実態は民主党政権成立前には自民党の政策であり、民主党が反対していた消費増税法案成立のために、何故か野田氏は解散を条件に差し出したのである。野田氏が「トロイの木馬」と言われる由縁である。

政権交代により民主党が政権についた時、官僚組織は心底不安になったのだと推察できる。しかし結果は見事な逆転劇である。その共謀者が財務省の「ポチ」となることで、有権者の選択とは全く関係のないプロセスを辿って首相となった野田氏ではないか?

民主党は何故こんな人物を今更質問に立たせるのだろうか?

野田氏は現在も有権者の政治不信の一丁目一番地である。彼が顔を見せるのは明らかなマイナスだ。
野田氏の今回の質問はのっけから「前社長が現社長にもの申す」だの「天下の総理大臣」だの権威主義丸出しであった。野党の質問者がこのように「人々の奉仕者」であることを忘れた発言をしては、現権力者を利するだけである。
あげく、自分は「約束」を守って解散したなどと言い募る。厚顔無恥も甚だしいではないか。確かに自分と財務省の間の約束は守ったのかもしれない。しかし有権者との約束は決定的に裏切ったのである。

現在の政治不信に野田氏の業、塾関係者の強欲の成した影響ははかりしれない。塾の関係者を民主党から排除するか、民主党が○○塾党と改名し、意見の異なる議員が出て行くか、どちらかにしてほしい。そうしなければ民主党に未来はないだろう。


以上は以下のブログに投稿していたものに若干の修正を加え再投稿したものです。NOTEのほうがこのタイミングでは検索などで目にとまりやすいと考えました。


いいなと思ったら応援しよう!