オーネット・コールマンのレコード 12 「フーズ・クレイジー」 The recordings of Ornette Coleman No.12 "Who'S Crazy"
Vol.1 Tracklist
A1January 4:23 A2 Sortie Le Coquard 1:10 A3 Dans La Neige 7:50 A4 The Changes 10:03 B1 Better Get Yourself Another Self 9:22 B2The Duel, Two Psychic Lovers And Eating Time 8:54
Vol.2 Tracklist
A1 The Mis-Used Blues (The Lovers And The Alchemist) A2The Poet B1Wedding Day And Fuzz B2Fuzz, Feast, Breakout, European Echoes, Alone And The Arrest
Credits
Bass – Dave Izenzon*
Composed By, Alto Saxophone, Violin, Trumpet – Ornette Coleman
Percussion – Charles Moffett
Recorded in Paris 1966 for the soundtrack of the film 'Who's Crazy?'.
Film producer: Tom White
ニューヨークの演劇団体リヴィング・シアターが65年にベルギーにて製作したパフォーマンス映画のサウンド・トラック。(映画に関してはトレーラーと解説がここにあります。(https://www.filmlinc.org/films/whos-crazy/))
「チャパカ」と比すとこれは随分サントラ然としている。「チャパカ」は自分の作品を作ってしまえ的なノリがあったがこちらはきちんとフィルムを見ながら音をつけている感じが伝わって来る演奏である。ただ、これがまた良い。このようなジャズのサウンドトラックというと「死刑台のエレベーター」のマイルスの仕事をや「危険な関係」のメッセンジャーズの仕事を思い出すのだが、この作品も不思議なことに同じテイストを感じる。そういえば全てフランス録音だ。
サントラだけあって、全体的にヴァイオリン、トランペットの出番が多い。Vol.1 A1などはヴァイオリンのスクラッチから始まり、トランペット、アルトと登場し、後半は"Sadness"調の美しいアルトが聴ける。曲の展開が映像に連れている様子がよくわかり面白い展開の楽曲が出来上がっている。A2は何か擬音的な小品。このような音効さん的作品があるのもこのアルバムの魅力だ。全体的にお馴染みのフレーズが飛び出してきたりで、いかにもサントラ仕事的なのだが、そこが良かったりする。不思議なものである。
ただし、Vol.2は若干息切れ感がある。
録音は66年なのだが、発売は79年。残念ながらフィルムを見ていないので、またおいおい追記したい。