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ファラオ・サンダースのレコード① ファラオ・サンダース 「ファラオ」        Pharaoh Sanders ‎– Pharaoh 


ファラオ・サンダースのデビュー盤である。ファラオが一般的に知られるようになるのは、コルトレーンの「アセンション」に参加して以降であるが、そのセッションが65年の6月。このセッションはそのほぼ1年前ということになる。
「アセンション」でのファラオのプレイを先に知ってこの盤を買うと、拍子抜けする。ESPから発売されていることも相まって期待が大きくなる分拍子抜けの度合いも大きい。ファラオのプレイにその後の片鱗がないとは言わないし、ビッグ・トーンなのであろうことや、トーンの切れは伝わってくる。B面のBetheraではシャウト系のトーンも聴くことができる、だが、トラックがあまりにも普通なのである。
このセッション・メンバーがどのように集まったのか?詳細を知らないが、ピアノのジェーン・ゲッツ(この人はこの後ニルソンやビージーズ、リンゴ・スターなどポピュラー畑でも仕事をしている)以外は他にディスコグラフィーのほとんどないメンバーである。悪くはないが大変標準的な演奏をする。
曲もいたってスタンダードな進行もので、初顔合わせでとりあえず無難にセッションするのに良さそうな代物だ。
ESPの中でも目立つアートワークで、なんといってもファラオ・サンダースの1枚目。リアルタイムではない世代のファラオ・ファンはオリジナル盤など見つけるとついついある程度の値段で購入してしまうものである。ただ、買って後悔しているのか?というとそうではないから不思議だ。
その上なんだかんだ、たまに聴くのだから文句をいうことはないように思うのだが、ただ、あまりにも普通なのである。

Tracklist

A Seven By Seven 26:25
B Bethera 23:44

Credits

  • Bass – William Bennett (2)

  • Percussion – Marvin Pattillo

  • Piano – Jane Getz

  • Saxophone, Liner Notes, Composed By – Pharoah Sanders

  • Trumpet – Stan Foster (2)

  • Engineer – Jerry Newman

Notes

Recorded Sept. 1964.

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