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アーチー・シェップ 7 「ザ・ウェイ・アヘッド」Archie Shepp ‎– The Way Ahead 

Tracklist
A1 Damn If I Know (The Stroller) 6:16   A2Frankenstein 13:51
B1Fiesta 9:55   B2 Sophisticated Lady 7:08

Credits
Bass – Ron Carter
Drums – Beaver Harris (tracks: A2, B1), Roy Haynes (tracks: A1, B2)
Piano – Walter Davis Jr.
Tenor Saxophone – Archie Shepp
Trombone – Grachan Moncur III
Trumpet – Jimmy Owens

Recorded: January 29th, 1968

コルトレーンの死後の初レコーディング作品。何度も引用するようだがシェップは後年「コルトレン以後、本当に何もおこらなかった」と言い放っている。しかし本人は活動を続けたわけで、その結果の言としてこれはどうとれば良いのか?
本作はベースがロン・カーター、A1とB2のドラムがロイ・ヘインズと、目新しいメンバーが参加している上にウォルター・デイビスのピアノ入りである。ピアノの参加は初めてと思う。ここまではピアノ・レスの複数菅でホーン・アレンジに凝る方向でレコーディングを行ってきているわけだから、これは随分の新機軸である。ただ、今回も3管で、ホーン に関しては従来通りの路線で扱っている。
ロイ・ヘインズはコルトレーンとも共演したが、年齢的にひとまわり上の世代であり、落ち着きのある洒落たドラミングを聴かせる。
ヘインズ入りのA1は心地よいスロー・ブルースで、カーター、ヘインズ、デイヴィスというリズム・セクションにシェップが乗ってくるというなかなか想像しがたかった展開であるが、シェップは今回これがどうしてもやりたかったのであろう。曲はデイヴィス。
ヘインズ参加のラストB4はなんと「ソフィスティケイテッド・レイディー」でこれまでもエリントン物を取り上げてきた流れからして意外ではないが、68年のこのタイミングのアルバムのラストのチョイスとして、やはりチョット意味を探りたくはなる。ヘインズ、カーター、シェップのピアノレスのトリオでシェップがたっぷり吹く。エリントンとの共演盤でコルトレーンが取り上げなかった曲であるし、これはこれで名演である。
他はビーバー・ハリスがドラムで、B1は冒頭にまあまあの尺のドラム・ソロを聴かせ、その後しばしシェップとのデュオ。2分を過ぎたあたりでベースとホーン・アンサンブルが入ってくるのだが、もう少しデュオを聴きたかった。
A2の「フランケンシュタイン」はホーン ・アンサンブルとピアノが入るまでが好みだが、後半のテーマのリフレーンはなにかのサントラ盤のようだ。

シェップの音楽としてはビーバー・ハリスの B1、A2が本筋で、なかなか良いのであるが、本人はこのアルバムではロイ・ヘインズ入りのA1、B2をやりたかったのではないだろうか?この2曲がここまでのシェップのキャリアの中では目新しいと言えば目新しいが、これはやる必要があったのか?とハテナはついてしまう。

4曲各々特徴があり良いトラックが揃っていて聴きやすい一枚であると思うが、何かチャレンジがあったかと言えばそうは感じず、なんとなく物足りなさが残る一枚。


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