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アーチー・シェップ2 「ビル・ディクソン・7テット アーチー・シェップ・アンド・ザ・ニューヨーク・コンテンポラリー5」 Bill Dixon 7-Tette / Archie Shepp And The New York Contemporary 5
Tracklist
Bill Dixon 7-Tette A1The 12th December A2 Winter Song, 1964
Archie Shepp And The New York Contemporary 5 B1 Where Poppies Bloom B2 Like A Blessed Baby Lamb B3 Consequences
Credits
Alto Saxophone – John Tchicai (tracks: B1 to B3)
Alto Saxophone, Oboe – Ken McIntyre (tracks: A1, A2)
Baritone Saxophone, Tuba – Howard Johnson (3) (tracks: A1, A2)
Bass – Dave Izenzon* (tracks: A1, A2), Hal Dotson* (tracks: A1, A2), Ronnie Boykins (tracks: B1 to B3)
Drums – Howard McRae (tracks: A1, A2), Sunny Murray (tracks: B1 to B3)
Tenor Saxophone – George Barrow (tracks: A1, A2)
Tenor Saxophone, Composed By – Archie Shepp (tracks: B1 to B3)
Trumpet – Don Cherry (tracks: B1 to B3)
Trumpet, Composed By – Bill Dixon (tracks: A1, A2)
Trumpet, Guest [Guest Artist] – Ted Curson (tracks: B1 to B3)
Notes
Side A recorded at Savoy Studios, Newark on March 4, 1964
Side B recorded New York City on February 5, 1964
これもSAVOYのニュージャズもので、覚書程度に以下。
"The Archie Shepp-Bill Dixon Quartet"の2年後、2人が中心的な役割を果たす所謂「Jazzの10月革命」の同年、2月と3月の録音である。
音楽的には前作より興味深い内容になっている。
A面のBill Dixon 7-Tetteはアンサンブルによる長めのテーマの後ソロを回していく構成であるのだが、アンサンブル部分が充実しており、リズムの変化もある。メンバー的にはドルフィーとの共演盤でしられるKen McIntyreが参加していたり、Dave Izenzonが参加したりしている。アイゼンソンは62年からオーネットのトリオに参加してるのだが、64年あたりはオーネットが実質活動休止状態で、65年にはシェップの"Fire Music"に参加している。ミンガスやオリバー・ネルソンとの共演があるGeorge Barrow やHoward Johnsonもまずまずのソロを聴かせる。
しかし、録音がいただけない。64年の録音とは思えない録音で残念だ。
B面のシェップはNYコンテンポラリー・ファイブとしての録音である。こちらは比較的録音がましで、まあ聴くに耐える。
The New York Contemporary 5はデンマークのSonnetとオランダのFontanaに作品を残しているが、チカイ、チェリー、シェップはそのままで、ドラムがサニー・マレー、ベースがサン・ラのグループのRonnie Boykinsに変わり、テッド・カーソン(tp)がゲスト参加している。期待が高まるメンツである。
サニー・マレーはこの時点で例のリズムキープに主をおかないスタイルを確立しており、本作でもB1、B3でそのスタイルを聴くことができる。両トラックともテーマのアンサンブルがあってソロがまわっていく構成であるが、特にB1はソロ・パートになると、ドラムスもベースもソリストもお互いかなり自由にやる感じで、この時点としては随分斬新に聴こえたハズだ。
ベースとドラムスの関係の解体がポイントで、この後の所謂ニュージャズ、フリージャズものの一つの典型となって行く形がここに現れている。
ただそのあたりをじっくり聴いて楽しむには、「まあ聴くに耐える」録音のクォリティーでは不足で残念である。