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アーチー・シェップ5 「ママ・トゥー・タイト」Archie Shepp ‎– Mama Too Tight 

Tracklist
A  Portrait Of Robert Thompson (As A Young Man)(18:51)   A1a Prelude To A Kiss   A1b The Break Strain - King Cotton   A1c Dem BassesB1Mama Too Tight 5:25   B2Theme For Ernie 3:20   B3 Basheer 10:40

Credits
Bass – Charles Haden*
Clarinet – Perry Robinson
Drums – William Godvin (Beaver) Harris*
Tenor Saxophone – Archie Shepp
Trombone – Grachan Moncur III, Roswell Rudd
Trumpet – Tommy Turrentine
Tuba – Howard Johnson (3)
Engineer – Rudy Van Gelder

Recorded at Rudy Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, NJ, August 19, 1966 [jazzdisco.org]

アーチー・シェップのアルバムの中ではあまり推薦されることのない盤ではないだろうか。ただ編成は豪華でチューバにトロンボーン2本、クラリネット、テナー、トランペットの6管。メンバーも良いメンバーが揃っている。

この前後のシェップのアルバムに見られるパターンだが、A面で新たなチャレンジをし、B面は複数ホーンによるアレンジの効いたベースを保ちつつ、ソリストの自由なブローをフィーチャーする路線である。

A面全部を占める組曲はシェップの諸作の中でも集団即興演奏感が強く、前年にコルトレーンのアセンションのセッションに参加し、なんでもありの時代に突入したその時宜を生かした作品と言える。

とは言えシェップはそこにドラマを持ち込む。組曲形式で集団即興の間にエリントンの"Prelude to Kiss"とスタンダードなマーチ曲を持ってきて構成し、とりつく島を作ると同時に組曲的な構成感を構築している。このあたりがよくあるA面はフェード・アウトしB面につながるタイプの集団即興演奏とは一味違うのである。

B面はダンス・ビートのB1、スローなB2、B3は決め事が多く複数のテンポが混在する中、複数のソリストが適宜絡み合って行く構成。前にも例に挙げたがジェリー・マリガンのコンサート・ジャズバンドの進化バージョンといった趣きで、個人的には嫌いではない。

インパルスはメジャー・レーベル傘下だけあって、大きい編成でチャレンジングなセッションを多く行った。例えばミンガスがインパルスに残した2枚、オリバー・ネルソンの「ブルースの真実」、ギル・エヴァンスの"Out of The Cool"etc...コルトレーン の"Africa/Brass"もそうだ。

このアルバムもシェップがその環境を活かした作品であると言える。



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