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オーネット・コールマンのレコード 13   「ゴールデン・サークル 」  The recordings of Ornette Coleman No.13 "At the Golden Circle"

Tracklist  vol.1
A1 Faces And Places  A2 European Echoes
B1 Dee Dee  B2 Dawn

Tracklist vo.2
A1 Snowflakes And Sunshine  A2Morning Song
B1 The Riddle  B2 Antiques

Credits

  • Alto Saxophone, Composed By – Ornette Coleman

  • Bass – David Izenzon

  • Drums – Charles Moffett

  • Recorded By – Rune Andreasson

「チャパカ組曲」のレコーディング後65年8月、にヨーロッパに渡ったオーネットであるがその12月に2週間にわたってストックホルムの「ゴールデン・サークル」に出演その最後の2晩をブルーノートが録音したのがこのレコードだ。オーネットの中でも特に人気の高い作品である。

"Town Hall 1962"と"Croydon Concert"がともにホールでのライブ録音であるのに比し、この"At the Golden Circle"がクラブでの録音であり、メンバーとの距離が兎に角近い。その辺りも魅力になっているのだと思う。

演奏はツアー中のこのトリオの充実ぶりを伝えるもので、何か活動休止期間の憂さを晴らすような、プレイすることの喜びが感じられるものだ。疾走するオーネットを煽っていくモフェットとアイゼンゾンも良い。この手のライブものはまだこの時期ベースを録るのに苦労するようで、そのあたりバランスに関して若干言いたいこともあるが、モフェットのシンバルが立っていて、ドラム近くの最前列に座っているようであり、熱気が伝わってくるに十分な音質ではある。

Vol.1は冒頭で疾走系の曲、A2はミドルテンポB1がまたアップテンポに戻り、B2はスロー・テンポでオーネットの美しいトーンとアイゼンゾンのアルコも良い。

Vol.2ではA1でヴァイオリンとトランペットを聴かせるがこれがまた、グループのインター・プレイと相まってかなり面白い。A2はスロー・テンポでこれもアルトのトーンの美しさが良い。B1は再び疾走系、Vol.1のA1といいこの手の演奏このライブ盤の「止まらない疾走」的な印象を形作っているがリズムの2人がやはり良いのである。B2はミッド・テンポでやはりグループ・インプロヴィゼーションが楽しい出来あがりだ。

全体を通して見てみると、テンポもバランス良くヴァラエティーに富んでいて、このトリオのツアー中の熱量が良く伝わって来る。一般的にオーネットの60年代を代表する名盤ということになっているようだが、頷ける内容になっている。ところが、このトリオの録音はこれが最後となり、オーネットはまた新たな模索を始めるのである。

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