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オーネット・コールマンのレコード 15 「ニューヨーク・イズ・ナウ!」  The recordings of Ornette Coleman No.15 "New York is Now!"

今回は1968年の作品「ニューヨーク・イズ・ナウ」。


Tracklist

A1 The Garden Of Souls  A2 Toy Dance  B1 We Now Interrupt For A Commercial  B2 Broad Way Blues  B3 Round Trip

Credits

  • Alto Saxophone, Written-By – Ornate Coleman

  • Tenor Saxophone – Dewey Redman

  • Bass – Jimmy Garrison

  • Drums – Elvin Jones

  • Performer [Announcer] – Mel Fuhrman

  • Recorded By [Recording By] – Dave Sanders

1968年といえばコルトレーンの死後1年目ということになるが、このタイミングでコルトレーン・カルテッットのリズム隊2人がオーネットと共演という運びとなった。ギャリソンはコルトレーン・カルテットに入る前にオーネットのグループに在籍していたことがある。 
レッドマンは新人扱いであるが面白いテナーを吹く。声を混ぜて吹くのだそうであるが、A1の「The Garden Of Souls」でのオーネットのソロ後の登場がフレーズ的にもとても印象的だ。
エルヴィンとギャリソンはこれはこの時点でいうことのないリズムセクションである。エルヴィンは66年の1月にコルトレーンの元を離れたわけであるが、その後66年にギャリソンとともにソニー・ロリンズの「East Broadway Run Down」に参加している。そのB面の緩めのセッションが大変良く、2人にある種の見識の高さを感じるのであるが、このオーネットとのセッションでも、それが活きており、適度な緩さの中に抜きん出たレベルの高さを感じる。

コルトレーン・カルテットの外でこの2人を起用したケースは実はエルヴィンとマッコイのリーダー作を除くと本作と続編の「Love Call」、上述のロリンズ以外にないという事実がある。ギャリソンが76年と比較的早くに亡くなってしまったこともあるが、このリズムセクションの充実した演奏がほとんど録音されていないのである。残念な話だ。

そういう面から本作は貴重な作品なのである。この緩急自在な2人のリズムセクションによるB2の「Broad Way Blues」などはオーネットに対してとレッドマンに対しての2人のバックの付け方はテンポの変化を伴い大変面白い。

作品的には「We Now Interrupt For A Commercial」など若干オーヴァー・プロデュース気味のものも時代を感じさせ興味深いし、上述のように全体にリズムと上物のせめぎ合い楽しめる作品となっている。


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